「法人向け太陽光」攻略のための正しいステップとは?<後編>
皆様、こんにちは。
本コラムでは先週に引き続き、自家消費型太陽光について、
「余剰売電型」モデルと「出力制御型」モデルの営業時の訴求ポイントと、
販売していく為のターゲット選定~販促手法について執筆させていただきます。
本コラムのポイント
●法人への販売ステップ3:提案モデルの営業訴求ポイントを把握すべし!
●法人への販売ステップ4:案件化しやすいターゲット選定と販促を実施すべし!
●法人への販売ステップ3:提案モデルの営業訴求ポイントを把握すべし!
先週のメルマガでもご紹介させていただきましたが、自家消費型太陽光の提案パターンには大きく分けて
「余剰売電型」モデルと「出力制御型」モデルの2種類があります。
そして、法人から見積もり依頼を貰う為には、それぞれの訴求ポイントを抑えた営業の仕方が今後必須となって参ります。
「余剰売電型」モデルと「出力制御型」モデルの訴求ポイントを今一度確認し、
どのような営業を実施すべきなのか、本メルマガでご紹介いたします。
【余剰売電型の営業訴求ポイント】
2020年度の低圧太陽光において売電は余剰のみ認められる方向で議論が進んでいます。
2月4日の調達価格等算定委員会で低圧太陽光の余剰における売電単価が13円と、
想定より高めの価格設定が案として出されました。
このモデルの訴求ポイントは「完全自家消費」と違い、
余剰にすることで、「投資回収年数を圧倒的に短くできる」ことが挙げられます。
「出力制御」のモデルだと、余剰分の発電を抑える形となる為、投資回収年数としては長くなる傾向にあります。
太陽光を設置される事業者の使用電力量以上の規模の太陽光を設置し、
少しでも投資回収年数を短くしたいという方には、こちらのモデルが刺さってくるでしょう。
しかし、このパターンを活用する場合、注意しなければならないポイントとして、
「補助金が使えない」ということが挙げられます。
「自家消費を目的とした太陽光発電設備」は補助金の対象となりますが、
「売電を目的とした太陽光発電設備(余剰で売電する場合も同じ)」は補助金の対象から外されています。
補助金を活用して導入コストを下げたいという方には、ニーズと合致しないため注意が必要です。
【出力制御型の営業訴求ポイント】
「出力制御型」の訴求ポイントは「補助金・優遇税制」のどちらも活用ということです。
「補助金」を活用して、イニシャルコストを下げる提案をすることも可能ですし、
一括償却可能な「優遇税制」を活用して「節税対策」を付加価値として提案することも可能となります。
しかし、2019年には活用することができた補助金が、
2020年度には一部活用できないものがあるので、注意が必要です。
「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の一事業である
「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」は
自家消費型太陽光発電の導入費用の3分の1を負担してくれる補助金で2019年の採択率は3割でした。
しかし、本年度においてはこちらが活用できなくなりました。
本年度も概算要求案としては50億円ほど用意されていましたが、
これは2019年に申請を受けた案件に対して使用することを目的とした予算であり、
当該予算を当てにして2020年に新しい案件に関する申請をあげることはできません。
そのため2020年に活用可能な補助金として、
現状では「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の同じ一事業である
「地域の防災・減災と低炭素化を同時実現する
自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」補助金のみとなっています。
●法人への販売ステップ4:案件化しやすいターゲット選定と販促を実施すべし!
前回のメルマガでご紹介した「提案商品の策定」、
先述の「営業資料の作成」が整ったのち、最後に実施すべきなのはターゲット選定です。
ターゲット選定をおこない、それぞれの属性にあった営業をしかけなければなりません。
社内でのロープレはもちろん、適切な営業トークフローを作ることが重要です。
以下、2パターンのターゲットに対して、どのような点を訴求すべきなのか、ご紹介させて頂きます。
【1】補助金を活用して見込み顧客を獲得する方法
導入費用の1/3、1/2を払わなくて済む補助金の存在は見込み顧客にとっては魅力的です。
しかし、先述の通り、2020年は導入費用の1/3を賄ってくれる「熱・自立」補助金はございません。
そのため、導入費用を抑えようとすると必然的に「防災・減災」補助金を活用することになります。
補助金を前提にした提案を仕掛けるのであれば、「防災・減災」補助金を活用できるターゲット、
つまりは地域防災計画もしくは地方公共団体と災害対策に関する協定を結んでいる企業に絞り、
アプローチを展開することが得策です。
上記の計画を結んでいるかどうかは、
「市町村名+地域防災計画(又は、地方公共団体との協定)」と検索することで知ることができます。
上記の計画を結んでいる企業をチェックし、結んでいる企業に対して、
直接テレアポ・DMでアプローチをしかけることで、営業の成功確率はぐっと上がります。
法人営業の場合、決裁権者が営業の初期段階で出てくることはほぼありません。
したがって、初回の営業で目指すべき次のステップは、見積もりや現地調査を実施させてもらうことです。
これらの目的を達成するうえでキラートークとなるのが、「補助金を使えれば、〇年で投資回収ができます。
しかし補助金には申請期限があるので、
とりあえず詳細な見積もりとシミュレーションを確認しませんか」というものです。
これにより見込み顧客は具体的な投資回収年数と補助金の申請期限を把握できる為、
「とりあえずシミュレーションだけ出してみようか」となります。
このトークで次のアクションに移すことが可能となります。
【2】優遇税制を活用して見込み顧客を獲得する方法
「中小企業経営強化税制」の活用を考えている見込み顧客は
その税制の適用範囲から、必然的に資本金1億円以下の中小企業に限られます。
そのため先ほどのターゲットと比較すると、契約成立のためのキーパーソンに会いやすくなっています。
この優遇税制は100%の即時償却、もしくは10%の税額控除を受けることができ、
節税対策をするうえで、非常に大きなメリットのある制度となります。
こちらの制度も2021年3月31日が締め切りとなっており、
この日までには自家消費型太陽光の発電を開始させなければいけません。
また、この優遇税制の活用を見込み顧客にアピールすることで、
意思決定の期間を必然的に早めることができます。
節税を意識している法人であれば、顧客のモチベーションは既に高くなっているため、
見積もりのための必要書類提出やシミュレーション作成まで話が進めやすくなります。
資本金1億円以下の法人リストについては、一般的に購入することが可能となっています。
これらのリストに対してテレアポ等により直接アプローチすることも効果的かと考えられます。
今回は2020年に自家消費型太陽光を販売していくための方法として
2週にわたり4ステップをご紹介させていただきました。
2020年はまだ始まったばかりですが、補助金の申請、優遇税制の期限を考えると、
商談~契約まであまり時間がないことがお分かり頂けたかと思います。
法人への取り組みは迅速に行動することが大切です。
適切なターゲット選定、適切なアプローチ方法で案件にあたることが急務です。
今一度自家消費型太陽光の販売戦略を見直してみてはいかがでしょうか。
本日もお読みいただきありがとうございました。