【仕入れ・コスト】パネル単価の高騰はいつまで続く?!

【仕入れ・コスト】パネル単価の高騰はいつまで続く?!

 

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パネルは40円/Wまで上昇!?。年内の値下がりは可能性小

汎用PCSや海外製は在庫あり!半導体不足で国産PCSは供給不足に

分離発注で価格高騰&商品不足を乗り切る!

 

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今回は前回に引き続き、産業用太陽光の仕入れに焦点を当てます。
 
ご存知のように、パネルの価格が昨年と比べて急騰していますが、そこに追い打ちをかけるようにPCSまでもが仕入れが困難になりつつあります。
 
産業用太陽光事業の仕入れを取り巻く環境が更に厳しくなっているいま、改めて自社の仕入れを見直す機会としていただけると幸いです。
 

パネルは40円/Wまで上昇!?。年内の値下がりは可能性小

前回のコラムでお伝えしたように、昨年の同時期と比較するとパネルの価格が非常に高い傾向が続いています。7月末時点では、低圧太陽光向けのパネルは、9月~10月の納品、現場渡しの送料を含めても約32円/W~約36円/Wの価格帯で取引されています。
 
昨年の8月頃、同等出力のパネルの価格が25円/W前後であったため、10円/W前後値上げされています。このような価格高騰の原因は、太陽光パネルの需要の急拡大と、インゴッド、シリコンウェハ、ガラス、アルミなど原材料の供給不足の2点です。
 
脱炭素化社会の実現に向けて、今後太陽光パネルの需要が減少することはありませんが、大手パネルメーカーではパネル製造のサプライチェーンの強化が進んでいます。実際に、来春以降、新設の大規模セル工場やモジュール工場が順次稼働を開始するとリリースされています。
 
しかし、年内製造&出荷分のパネルは現在の生産体制及び原材料の価格に依存するため、少なくとも現在の価格帯(約32円/W~約36円/W)から安くなることはまずありえません。
 
 
従来、パネルは大量生産によるコストダウンによって、待てば待つほど安くて高出力のパネルが生産されてきました。しかし、年内に限って言えば、このようなことはありえません。
 
このような原材料価格高騰の中で、見積価格29円/Wで発注したにも関わらず、納品時には32円/W分支払わないと納期通りにパネルが納められない、といった追加料金を請求されるというケースも発生しています。パネルは発注から製造まで約1ヶ月~2ヶ月程度のリードタイムがあり、その間に原材料単価が大幅に上がってしまうと、上がった原材料価格分の費用が請求されることになります。
原材料の価格高騰のため、パネルのサプライチェーン全体での問題ではありますが、このようなケースを未然に防ぐことは可能です。
 
それは「相場よりも安い価格に飛びつかない」ことです。先述のように、現在のパネルの仕入れ価格相場は、おおよそ約32円/W~約36円/Wです。このような状況下で30円を大きく下回るような価格が提出された場合、なぜこの価格で出せるのか、十分な確認が必要です。
 
2ヶ月後の製造時の原材料低下を期待しているだけであれば、不安が残りますが、すでに製造済みの在庫品や型落ちのパネルなど明確な理由があれば問題はありません。
 
 
このように、パネルの価格は先月に引き続き以前と上昇傾向にあります。さらには、今後も値下がりする要素が皆無であるため、相場と比較して異様に安い価格帯のパネルには依然として注意が必要です。相場を知り、信頼できる商流から、確実にほしい部材を仕入れる事ができる体制の構築が急務となります。
 

汎用PCSや海外製は在庫あり!半導体不足で国産PCSは供給不足に

パネル価格が高騰する一方で、PCSについても品薄や受注停止が発生しています。
 
こちらも、大きな原因はパネル同様に原材料不足です。半導体が世界的に不足しており、その影響は身近な家電や自動車に留まらず、太陽光用のPCSにまで波及しています。特に国産PCSへの影響は顕著です。
 
MPPT機能を搭載し、直流を交流に変換するシンプルな汎用品であれば、各商社様で在庫を多数抱えていますが、在庫品の少ない特殊仕様(塩害対策済みや自立運転機能など)のPCSは一時的な受注停止や納期の大幅な遅延などが発生しています。
 
このような特殊仕様のPCSでは、国産の代替品は非常に限られており、仕入れが困難になっています。
 
しかし、海外メーカー製のPCSであれば、特殊仕様であっても受注・製造を継続して行っています。
 
そのため、完工までに余裕がない特殊仕様が求められる案件については、早急に海外製品に切り替え設計からやり直す必要があります。特に、FIT案件であれば、設備認定の変更や電力会社への申し出も必要となり、さらには。国内在庫が枯渇しつつある海外メーカー製PCSもあるため、PCSについても早急な製品の再選定、発注を行ってください。
 

分離発注で価格高騰&商品不足を乗り切る!

このように、パネルは価格高騰、PCSは品薄と、太陽光の仕入れを取り巻く環境は非常に厳しいものになっています。
そのため、今後は、特定の商流に依存してパネルやPCS、架台を一式で発注するのではなく、多少手間はかかっても、部材ごとに仕入れを行う分離発注を行ってください。
 
このような状況下では、特定の1つの商流に仕入れを依存すると、欲しいときにほしい部材が手に入らない可能性があります。当然、代替品の提案などは行っていただけますが、他の商流であれば従来と変わらない価格、納期で出荷できる場合もあるため、常に複数の商流とやりとりをし、最新の情報を取得した上で発注をしてください。
 
今後、従来のFITから自家消費型太陽光やFIP、オフサイトPPAなどこれまでとは異なる仕組みで太陽光事業を行う上ではいままで以上に、細かい仕入れや原価の管理、価格や納期に関わる情報収集が必要となります。
 
お盆直前ではありますが、本メルマガを読了後、再度自社の仕入れ関係を見直してください。
 
特に、年内着工予定の案件については、

  • パネルの見積り価格
  • パネルの見積り有効期限
  • PCSの納期

の3点を必ず確認してください。その上で今後の発注計画の立案、発注完了までを8月中に行ってください。
 
本日もお読み頂きありがとうございます。
 

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