2023年度(令和5年度)太陽光発電&蓄電池で使える補助金の概要と採択結果を解説します

太陽光業界時流予測レポート

【オススメ補助金3選】2023年度(令和5年度)太陽光&蓄電池補助金情報

 
今回は環境省・経産省から発表されている補助金情報をピックアップし、EPC企業が活用できる内容をご紹介させていただきます!

※公募前の情報の為、内容が変更になる場合がございますのでご了承ください。
 

【環境省】令和5年度(2023年度)補助金情報

初期費用ゼロ型太陽光発電等の再生可能エネルギー設備全国導入加速化支援(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)

民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業の概算要求額は200億と大きく、環境省の概算要求の中でも重要な施策の一部となっています。

【概算要求額】
令和5年度要求額:200億円

本事業は以下のように分けられます。

(1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
(3-1)再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業
(3-2)離島における再エネ主力化に向けた運転制御設備導入構築事業
(4)平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業
(5)データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
(6)公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業

このうち、法人がオンサイトの自家消費型太陽光を導入する際に使える補助金が、「(1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」です。

(1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

【概算要求額】
令和5年度概算要求額:200億円のうち一部
令和4年度予算   :164億円
令和3年度補正予算 :113.5億円

【補助対象設備】
①自家消費型太陽光発電システム
②蓄電池(車載型蓄電池を含む)
③充放電設備(V2H等)
その他、補助対象設備の運用に直接必要な付帯設備等

【補助額と補助率】
太陽光発電設備(定額)
・購入モデル:4万円/kW、
・PPA・リース:5万円/kW
・戸建住宅(PPA・リース):7万円/kW
 ※戸建て住宅の購入モデルは対象外

蓄電池(定額)
※上限:補助対象経費の1/3)

充放電設備
EVをV2H充放電設備とセットで購入する場合に限り、蓄電容量の1/2×4万円/kWh補助
※上限あり

【採択結果】
令和3年度補正予算1次公募・2次公募・令和4年度本予算の採択事業者は以下のようになりました。

公募種類 令和3年度補正予算
1次公募結果
令和3年度補正予算
2次公募結果
令和4年度本予算
公募結果
オンサイトPPA型 計36社 計26社
自己所有型 計116社 計37社
リース型 計6社 計11社 計2社
その他オフサイトPPA型 計6社 計1社

【令和5年度に向けた対策】
①ターゲットを食品系・金属系に絞り込む
令和3年度補正予算1次公募・2次公募・令和4年度本予算の採択結果を業種別に分析してみました。

自己所有モデルの業種別の採択結果
1位:製造業(48.0%)
2位:小売業・卸売業(24.0%)
3位:サービス業(17.3%)
4位:運輸・通信業(4.0%)
5位:建設業(2.7%)
全75件

製造業の中でも「食品製造業」や「金属加工業」などが多数を占める結果となりました。

「冷蔵・冷凍系の設備を保有している」、「24時間稼働している」等、電気消費量が高止まりしている業態は太陽光発電を通じた再エネ導入に敏感であり、補助金を活用した導入が通りやすい傾向にあります。

②蓄電池セットでの案件が必須
令和4年度のストレージパリティ補助金には「加点項目」があり、その項目の一つに「蓄電池設置」があり、蓄電池を導入している方が優先採択されていました。

しかし、令和5年度からは蓄電池(V2H充放電設備含む)導入は必須となっています。
蓄電池の導入を含めて、提案を行っていく必要があります。

第一次公募の詳細は、令和5年度3月中旬以降に発表されると予想されます。
第一次公募の申請に間に合うように、早めの提案が求められます。

(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事

【概算要求額】
令和5年度概算要求額:200億円のうち一部
令和4年度予算   :38億円
令和3年度補正予算 :113.5億円

本事業は、「カーポート」「水上」「営農」等の新たな設置方法を活用する場合に対象となる補助金になります。

【補助対象事業】
①再生可能エネルギー事業者支援事業費(補助率1/3)
駐⾞場を活用した太陽光発電(ソーラーカーポート)について、コスト要件を満たす場合に、設備等導入の支援を⾏う。
 
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業(補助率1/2)
営農地・ため池・廃棄物処分場を活用した太陽光発電について、コスト要件を満たす場合に、設備等導入の支援を⾏う。
 
③オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業(補助率1/3)
オフサイトに太陽光発電設備を新規導入し、自営線により電⼒調達を⾏う取組について、当該自営線等の導入を支援する。
 
④再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電等の価格低減促進事業(補助率3/4、1/3、1/2
再エネ熱利用や自家消費又は災害時の自⽴機能付きの再エネ発電(太陽光除く)について、コスト要件を満たす場合に、計画策定・設備等導入支援を⾏う。
 
 
⑤新たな再エネ導入手法の価格低減促進調査検討事業(委託)
①〜⑤の再エネ導入手法に関する調査検討を⾏い、その知⾒を取りまとめ公表し、横展開を図る。
 
【補助率】
カーポート:補助率1/3
水上、営農:補助率1/2
 
(参考:http://www.env.go.jp/guide/budget/r04/yosan1-1-3.pdf
 
【採択結果】

補助金 第一次公募 第二次公募 第三次公募
①再生可能エネルギー事業者支援事業費
ソーラーカーポート
8件 16件 32件
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
(営農地事業)
4件 8件 なし
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
(ため池事業)
1件 なし
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
(廃棄物処理場事業)
1件 なし
③オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業 1件 なし
④再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電等の価格低減促進事業「計画策定事業」 1件 2件 3件
⑤再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電等の価格低減促進事業「設備等導入事業」 3件 8件

新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業は、令和5年度も令和4年度とほぼ同じ内容で公募されておりますので、振り返りも含め、一度確認しておくことをオススメします。

【採択案件の特徴】
①ソーラーカーポートが採択に積極的
再生可能エネルギー事業者支援事業費ではソーラーカーポートの普及に向けた補助金となっています。この公募では最も多い56件が採択されました。
来年度も補助金の公募がありますので、来年度を見越した実績や案件の獲得をおすすめいたします。

②1つの企業が複数の実施場所を持つ
再生可能エネルギー事業者支援事業費の採択結果を見ると1つの企業が複数の実施場所を得ることに成功しています。
例えば「(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業①再生可能エネルギー事業者支援事業費の二次公募結果」を見てみますと、採択結果は16件ですが採択された事業実施団体名は11社となっています。
中には3つの事業実施場所の採択がされた企業もあります。
このことから適切な申請を行うことができれば、複数の実施場所に対する補助金を受け取ることができます。
一度適切な書類を作ることができれば多くのリターンを期待することができるのです。
 

【経産省】令和5年度(2023年度)補助金情報

今年は経産省からも、新たに太陽光関連の補助金が発表されます。

■需要家主導による太陽光発電導入加速化補助金

令和5年度概算要求 :165億円
(令和4年度予算案 :125億円)
(令和3年度補正予算:135億円)

【事業内容】
2030年の長期エネルギー需給見通しや野心的な温室効果ガス削減目標の実現に向け、需要家である企業等もSDGs等の観点から、再エネの活用を求められる状況にある。需要家主導による新たな太陽光発電の導入モデルの実現を通じて、再生可能エネルギーの自立的な導入拡大を促進することを目的とている。
 
【主な条件】
①対象設備が、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の認定計画に含まれないこと(非 FIT・非 FIP)
②一定規模以上の新規設置案件であること
(令和4年度は、合計2MW 以上の新設設備で、単価が 25 万円 /kW(AC ベース)未満であることが要件でしたが、令和5年度の詳細はまだ出ていません)
③8年以上にわたり一定量以上の電気の利用契約等を締結すること
 
【主な変更点】
令和5年度からは、新たに蓄電池併設型の設備導入について支援を拡充するとのことです。
そのため、大型の産業用蓄電池の普及拡大も期待されています。
 
【令和4年度補正予算採択結果】

公募時期 採択結果
令和3年度補正第一次 計13社
令和3年度補正第二次 計6社
令和4年度本予算 計20社

【採択結果の傾向】
①1社あたりの予算が大きい
最初にご紹介したストレージパリティでは164億円の補正予算が出ており、190社を超える企業が採択されています。
一方でこの需要家主導による太陽光発電導入加速化補助金は135億円を19社で配分するという形になっています。
このことから一社当たりが受け取る金額が高いため、申請できる企業にとっては優先順位が高いと言えます。

②合同会社が多い
令和3年度補正予算の採択企業が全19社であることに対して、そのうち6社が合同会社となっています。令和4年度本予算についても、採択企業が20社であることに対して、そのうち6社が合同会社となっています。
現在、需要家とEPC企業が合同会社を設立し、その会社が積極的に太陽光発電を買い取っています。
そこが発電事業所となり需要家に再エネ電気を販売するというスキームが広がっている影響もあり合同会社の採択が進んでいます。
 

補助金を活用した営業のタイミング

来年度についても、法人向け自家消費型太陽光・PPA関連の補助金が充実しています。
実際に需要家様に営業されているEPC企業では、早めに営業を掛けておく必要があります。
そして、重点的に営業をしているorしたい顧客に対しては積極的に「訪問して情報提供」をしましょう。

メール等で告知も簡単ではありますが、同業他社からも同様の情報が告知されており、実際に訪問し、補助金情報の提示とともに、予算感、時期についてもあらかじめヒアリングできれば、営業案件として確度を上げられるようになります。

脱炭素対策が本格化する中、来年度は間違いなく太陽光・蓄電池設置が追い風となる年です。

今から準備を行い、丁寧な顧客対応をしていきましょう。

以下レポートでは、2022年現在の太陽光発電業界の制度と潮流を今一度整理しています。また、2022年度以降の国の方向性を踏まえた上で、「土地の仕込み」を実施すべきか、「法人への販売」を実施すべきか、事業判断のお役に立てて頂ける内容となっております。変遷期を迎えている再エネ業界で、進むべき道を明示させて頂きます。

ぜひダウンロードください!

 
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