【NonFIT】太陽光発電所の売却で粗利30%を出すためにEPC企業が取り組むべき内容とは?

昨今、「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」などの影響もあり、NonFIT太陽光発電所からのオフサイトPPAによる電力供給スキームに注目が集まっています。
一方で、NonFIT太陽光発電所はその需要に対して供給量が追いついておらず、多くの小売電気事業者やSPCなどでは全国各地でNonFIT物件の収集を行っております。そのため、オフサイトPPAスキームが開始した当初と比較してNonFIT物件の価格は上昇基調にあり、EPC企業としても粗利を獲得しやすくなりつつあります。

今回は、そのような状況下においてEPC企業がNonFIT物件の売却で30%以上の粗利を獲得する為に取り組むべきことについて、最新の買取相場と開発コストを交えてご紹介いたします。

現在のNonFIT物件の買取相場は?

現在、再エネ由来の電力を必要としている企業の筆頭として大手製造業・小売業が挙げられます。
これらの企業では、脱炭素化に向けた取り組みが強く求められている一方で、電力の消費量が非常に多いため自社の屋根上への太陽光発電設置だけでは再エネ電力を到底賄うことができません。
そのため、自社の敷地外に太陽光発電所を設置し、そこからの再エネ電力調達を行う「オフサイトPPA」に取り組み始めています。

上記のような企業からオフサイトPPAに関する問い合わせを受けているのが小売電気事業者です。
問い合わせを受けた小売電気事業者は自社単独で、あるいは金融機関やEPC企業などと共にSPC(特別目的会社)を設立し、全国でNonFIT物件やNonFIT電力の調達を進めています。
買取価格の相場帯としては以下の通りです。

【NonFIT物件単価】
12~14万円/kW
【NonFIT電力単価】
12~15円/kWh

NonFIT物件の需要の高まりから、令和3年度後半~令和4年度前半の買取相場(NonFIT物件:約11万円/kW/NonFIT電力:約10円/kWh)と比較すると上昇基調にあることがお分かりいただけるかと思います。
また、上記の価格はあくまでも需要家との契約に小売電気事業者やSPCなどの仲介を挟んだ場合の金額であり、需要家を直接集客することが出来れば上記以上の価格帯で物件や電力の取引を行うことも可能です。

NonFIT発電所の開発コスト相場

ここまで、買取側の価格相場についてご紹介しましたが、現在の開発側のコストはどの程度の相場感なのでしょうか?
現状、EPC企業様においてDC100kWの低圧NonFIT太陽光発電所を建設した場合の価格感は以下の通りです。

【NonFIT発電所の開発コスト(100kW)】
モジュール:39円/W→3,900,000円
PCS   :86,500円/台(4.95kW)→865,000円
架台   :14,000円/kW→1,400,000円
フェンス  :1250円/m→125,000円
工事費  :25,000円/kW→2,500,000円
連携負担金:10,000円/kW→1,000,000円
計    :9,790,000円
計(kW)  :97,900円/kW

上記の価格に加えて土地代・造成費を15,000円/kWとすると、
計    :11,290,000円
計(kW) :112,900円/kW
となります。この価格で粗利30%を獲得するためには、約16万円/kWでNonFIT物件を売却する必要があり、物件価格は上がり基調ではあるもののまだまだ粗利30%を獲得する為には工夫が必要です。一方、現在ロシアウクライナ問題や円安によって部材原価が高騰しており、部材のコストダウンは非常に難しくなっています。
では、そのような状況下で粗利30%を獲得するためにEPC企業はどういったことに取り組むべきなのでしょうか?

粗利30%を獲得するためにEPC企業が取り組むべきこと

NonFIT物件の売却で粗利30%を獲得するためのポイントは下記の2点です。
・土地代・造成費の単価を下げる
・物件売却の単価を上げる

ここでは、それぞれのポイントで今EPC企業が取り組むべきことをご紹介いたします。

➀土地代・造成費の単価を下げる
部材による開発コストの削減が難しい現在、土地代を抑えることが出来れば発電所の開発コストを大きく下げることができます。
そのためには、安くて条件の良い土地を仕入れるということが重要となります。
上記においてEPC企業が取り組むべきことは、いち早く用地募集を開始するということです。
NonFIT発電所の開発競争が激化している今、各社で発電所用地の募集を精力的に実施しています。
それらの企業に条件が良く価格が安い土地を確保される前に、用地募集を開始することが重要です。

➁需要家を自社で集客する
そもそも物件の買取価格を上げることが出来れば、現在の相場でも確実に粗利を獲得することができます。そのためには、需要家を自社で集客し直接契約を結ぶことが重要です。
先述の通り、仲介がなく需要家と直接契約をすることが出来れば、今の買取相場以上でのNonFIT物件売却も可能になります。実際、需要家を直接集客することにより、17〜18万円/kWという条件でNonFIT物件の商談を実施されているEPC企業様もいらっしゃいます。
上記においてEPCが取り組むべきことは、需要家と接点が持てる展示会などへの出展です。
展示会では大手企業の需要家も多数来場しており、それらの企業と繋がりを持つことで集客をかけやすくなります。

是非、今回の内容を参考に粗利獲得のための工夫を実施してみてはいかがでしょうか?
本日もお読みいただきありがとうございました。

 
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