令和5年度太陽光・蓄電池補助金がある今注力すべきOB顧客フォロー戦術とは
平素よりコラムをご購読いただき、誠にありがとうございます。
5月中旬、昨年度に引き続きDER補助金の交付が発表されましたが、そもそも申請が通らなかったという会社様も多いのではないでしょうか。また、昨年度の早期予算到達のこともあり、早々に活用しないと判断された会社様もあるかと思います。
ただし、「補助金」をフックとして集客に注力し、既に見込みをつくっている会社様も多くいらっしゃいます。DER補助金以外にも各自治体から太陽光や蓄電池、V2Hなどに補助金が出ている今、この武器をつかって見直していただきたいのが「OB顧客のフォロー」です。
3度目の蓄電池提案でも成約に繋がる!太陽光OB顧客への蓄電池再提案事例
住宅・不動産を本業としている九州のある会社様では、国や自治体の蓄電池補助金のリリースと同時に、太陽光発電のみ設置されたOB顧客に積極的に再提案を行っています。5月中旬より訪問にて案内し回っていることもあり、32件/102件のみアプローチできていますが、そのうち8件がアポイントに繋がっています(アポ率25%)。数字を見ても、十分に再提案する価値はあるでしょう。
このOB顧客には今回の補助金案内を合わせると、3回蓄電池の提案をしています(1回目:住宅を建てる時、2回目:昨年度に1度)。しかし、今回の案内をした時には、「蓄電池の価格も上がって、少し後悔していたんだ。補助金があるうちにやっぱりしないとね」と前向きな言葉もあるそうです。
具体的なアプローチ方法ですが特別なことはしておらず、「DER補助金+自治体補助金」の最大補助額を記載したポスティングチラシを1枚持っていくのみです。自社OB顧客なので基本的に玄関先には出てきてくれます。玄関先では「電気代高騰・物価高」の話から蓄電池の値上げ、そしてポスティングチラシを使って補助金の話をします。不在のご家庭にはそのままチラシをポスティングしています。
もちろん補助金活用については、会社の方針があるかと思います。ですが、本稿で1番お伝えしたいことは、競合他社が増えているなか、「契約したきりお客様とは5年も会えていない」「たまたま太陽光で契約をいただいたお客様の家の前を通ったら、(知らない他社の)蓄電池が設置されていた…」といった状況を解消することです。当然、その状況を解消するためには、OB顧客のフォローアップが必要になりますが、そのポイントは「高頻度・高接触」です。
フォローアップのポイントはとにかく「高頻度・高頻度」です!
エコキュートや太陽光発電の販売後もお客様からリピートされる会社様に共通することは、「顧客との頻繁な接触」です。「顧客との初回接触後も良好な関係性を維持しているか?」という点が、結果に大きく影響を及ぼします。
今回事例として取り上げた会社様では、太陽光発電の設置後、定期的なメンテンナンス(1年、3年、8年)以外は特段接触は行っておらず、メンテンナンスも業務的にただ行うだけでした。そこで、接触頻度を上げるため補助金案内を実施したり、その他にパワコンの点検案内ハガキを送ったりしています。
他に新商品(蓄電池やV2Hなど)がでれば、お客様にご案内している営業マンもいらっしゃいます。その度に何かお困りごとがないか聞き、その解消に努めているそうです。例えば、電球の交換まで無償で行うなどです。そうしてお客様の信頼を勝ち取り、タイミングがあった時に追加受注ができているとのことです。
太陽光発電や蓄電池など、20年~30年間の使用が見込まれる商品です。したがって、購入する際よりも、購入後に不安を感じることが一般的です。このような商品の場合、購入する「前」の1か月程度だけでなく、「後」の中長期的にわたすフォローが価値を持ちます。
「1度断られたお客様に提案するのは億劫だ」と感じる人もいらっしゃると思いますが、「いつの間にか他社で設置していた(しかも自社よりも高額)」といったことがないように、OB顧客を守るという観点で取り組んでいただければと思います。
競合がアプローチした時に、顧客から相談してもらえますか?
皆様に目指していただきラインは、「競合が接触した際に、顧客が自社に相談してくれるか?」になります。昨年度から本年度にかけて、訪問販売やテレアポは絶えず行われています。したがって、他社からアプローチがあった際に相談される関係を築けているかが重要になります。相談を受けるだけで新たな商談チャンスにも繋がります。
東北のある会社様では2週間に1度、LINE@を利用して電力消費の削減策や太陽光、蓄電池のお得情報を発信されています。LINE@の友達数3000件のすべてが太陽光発電の設置者ではありませんが、月に1~2件ほどお客様からお問い合わせに繋がっています。LINE@の活用から4か月ほど経ちましたが、お客様からは「毎回読んでいる訳ではないけど、たまに見てるよ」といったお声もあがっているそうです。
定期的にお客様と関係性を繋げておくことで、いざ商談になったときの話の進め方が大きく変わります。隔週で発信している内容からお問い合わせがきているので、既に購入意欲も高く、商談が進めやすいといった利点もあります。
LINE@を活用していないという会社様もあるかと思いますが、大事なのは「高頻度・高接触」をどのように実現するかになります。競合他社に自社OB顧客を取られないためにも、まずは「補助金情報の案内」などから始めてみてはいかがでしょうか。