【2025年度版】産業用太陽光市場動向

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の土井新太です。

近年、脱炭素化への意識が世界的に高まる中、再生可能エネルギー、特に太陽光発電への注目度が急速に増しています。日本においても、2012年のFIT制度導入以降、太陽光発電の導入は進んでいますが、今後はFIT制度に依存しない、より自立的なエネルギー調達へとシフトしていくことが求められています。

今回は、産業用太陽光業界の現状を詳細に分析し、2025年に向けた業界動向をご紹介いたします。特に、建設業界の経営者の皆様が、今後の事業推進に役立てられる情報を提供できるよう掘り下げて解説します!
本メルマガが、2025年に向けた経営の舵切りの具体的な指針となれば幸いです。

2025年の産業用太陽光トピックス

2025年度の産業用太陽光業界の市場動向を説明するうえでトピックスを2選取り上げさせていただきました。皆様には、市場動向をおさえる上で、是非これらのトピックスを是非踏まえていただけますと幸いです。

◆トピックス①:非FIT制度
まず、産業用太陽光業界の現状について、データを用いて解説いたします。
2012年のFIT制度導入以降、国内の太陽光発電の導入量は着実に増加しています。そんな中、直近の2022年度では、4.6GWの導入量に加え、FIT制度に頼らない「非FIT」が0.5GW(推計)導入されています。「非FIT」太陽光とは、従来の固定価格で電力を売電する「FIT」制度ではなく、再エネ電力の需要家となる大手企業と相対取引する携帯などを指します。

このようなデータから、近年FIT制度に依存しない再生可能エネルギーへの移行が始まっています。

◆トピックス②:出力制御
現在、産業用太陽光市場では、「FIP制度」が盛り上がりを見せています。
FIPとは、発電事業者が再生可能エネルギーによって発電した電気を市場価格で販売し、その市場価格に一定の「プレミアム(上乗せ額)」を追加で受け取る仕組みです。

そして、国はFIT制度からFIP(フィードインプレミアム)制度・非FIT制度への移行を推進しています!

その証拠に、出力制御の優先順位をFIT発電所からFIP・非FIT発電所へと変更されました。
これによって、FIT制度を適用している発電所から順に電力の売電を止められる出力制御を受けることになります。

このように、FIT制度に依存しない企業独自の再生可能エネルギー調達を国として促進しています。この政策転換は、今後の太陽光発電市場において、自ら再エネを調達する動きを加速させる要因になります。

2025年度の太陽光案件獲得は難化する!?

◆オンサイト太陽光:1周目が終わった感
上記のように、太陽光市場では「生再エネ」、つまりFIT制度に依存しない企業独自の再エネ調達が加速しています。
こういった流れを受け、特にオンサイト太陽光市場では、「一周目が終わった感」「一度は検討したことがある層」が増加しています。

さらに、電気代が一時的に落ち着いており、強いニーズを持つ層が減少しているという現状もあり、案件化が難しくなりつつあります。

この状況下で、2025年度に、オンサイト太陽光発電事業者は一層新規開拓を工夫して推進していく必要性があります。

◆オフサイト太陽光:土地仕込みの激化
オフサイト太陽光市場では、事業参入が大幅に増加したことにより、土地仕込み競争が激化し、系統用蓄電池の登場により地主の価格感にも変化が生じています。

それに伴い「買取停止」や「事業撤退」を決める需要家が増え、販売も難化しています。この状況は、オフサイト太陽光発電事業者が、より戦略的な土地獲得と需要家開拓を必要となります。

「1周終わった感」のあるオンサイト太陽光市場でで実施すべきこと

上述の通り、オンサイト太陽光市場では「1周終わった感」があり、オフサイト太陽光市場では「土地仕込みが激化」しています。

こういった流れを受けて、2025年に太陽光事業者が実施すべきこと」に関する私たちの見解も共有させて頂きます。

オンサイト太陽光発電事業を成功させるためには、短期的な施策と長期的な施策の両方をバランスよく展開する必要があります。

①短期的な施策としては、紹介型集客を中心に、金融機関や建設会社、設計事務所などとの協業体制の構築が有効です。「需要家は太陽光に関する営業を一通り受けている」と仮定すると、勝負の決め手は「信用できる人からの商談設定」となります。営業を受けているので、商談設定のハードルが上がるだけでなく、自社設備に導入した際の削減イメージがわくかが重要になります。

そこで、まず商談を設定するべく、紹介元の担当者が顧客にアプローチできる環境を整えることが重要です。特に、銀行に対しては、有償ビジネスマッチング契約を締結することで、紹介案件の拡大を狙うことができます。

このような紹介による案件組成は相見積もりを避けられるというメリットもあります。

②長期的な施策として「補助金・優遇税制セミナー」「今すぐ客」「過去提案案件」の引き上げも重要です。WEBサイトを活用した反響型集客や、メールマガジン配信による見込み客へのアプローチは、お客様への納得感につながり、他社との差別化要因としても有効となります。

「土地仕込みが激化」しているオフサイト太陽光市場でで実施すべきこと

土地獲得が難化する中で実践すべきことは「多くの販促媒体を活用し、異なる層へのアプローチを実施すること」です。

具体的には、新聞折込チラシや地方紙広告、不動産紹介営業、ダイレクトメール、発電所への看板設置などが有効です。
特に、不動産会社の方々が土地探しに動いてもらえる動機付けも非常に重要となります。
また、土地の情報を収集するだけでなく、土地の契約から開発までをスピーディーに進める体制を構築することが用地獲得の最大化につながります。

上述のように、2025年の太陽光案件の組成は一工夫が必要になってきます。
今回のメルマガでは解決方法として、オンサイト太陽光における紹介施策やオフサイト太陽光における販促媒体の多様化などをご紹介させて頂きました。

船井総研のカテゴリーサイトには、今回のメルマガに書ききれなかった内容を記載していますので、是非ご覧ください。

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