中国電力ショックで部材がさらに高騰!? 最新価格動向をチェック!

中国電力ショックで部材がさらに高騰!? 最新価格動向をチェック!

 

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電力不足が製造業を直撃。パネル&架台は更に価格が上昇

分離発注またはで価格高騰&商品不足を乗り切る!

 

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電力不足が製造業を直撃。パネル&架台は更に価格が上昇

8月に配信したメールマガジンでは、「原材料高騰が原因で結晶系太陽光パネルの価格高騰が更に続き、年内製造&出荷分のパネルは価格帯(約32円/W~約36円/W)から安くなることはまずありえません。」と記載しておりました。
 
メールマガジン配信時点では、原材料高騰にも落ち着きが見えてきており、同価格帯が年内は維持されると見通しておりました。
 
しかし、そこから3ヶ月たち、現状は悪化しています。
 
 

8月度の見積もり価格から上昇し、現在では各現場などへの送料も含めて、33円/W~38円/Wほどの価格帯で見積もりが出されています。例年、下半期は中国国内における需要が高まることから、特に年内納品分のパネルについては価格が上昇することが常でした。しかし、本年はそこに更に原材料の不足・高騰という要因が重なり、数年前の280Wの多結晶パネルのような価格帯が当たり前になってきました。
 
加えて、日経新聞などの報道にもあるように、現在、中国では深刻な電力不足に陥っていおり、地域ごとに電気の使用量制限などを求められています。特に製造業への打撃は深刻で、中国に生産拠点の大多数を置くパネルメーカーや架台メーカーは電気の使用規制の範囲内での生産計画の変更を余儀なくされています。そのため、当初予定の出荷量を製造できないため、価格の引き上げや納期の遅延が今後順次頻発することが予想されます。
 
 
さらに、電力不足を補うため、環境対策で止めていた火力発電所の再稼働や石炭の大規模増産を行うことで電力不足問題解消に向けて政策が動員されていますが、大量の石炭や追加燃料を大量に購入しているため、かかった追加費用が電気代に反映される可能性があります。
 
当然、上昇した電気代は製品製造コストとして計上されるため、製品価格にも反映されます。電力不足問題は、冬にかけて更に深刻になる可能性もあるので、引き続き余談を許さない状況が続いてます。
 
従来は、製品の原材料不足がパネルやアルミ架台の価格高騰の原因でしたが、今後は更に電力不足問題も大きな原因の一つとなる見込みです。
 
ここで今後半年間のパネルとアルミ架台の仕入れに関するリスクをまとめます。
 
 
<価格上昇の理由>

  • 原材料(インゴッド、ガラス、アルミ、銅線)の品薄による価格上昇
  • 電気代上昇
  • 諸外国における太陽光パネルへの需要の高まり

<納期への懸念>

  • 電力不足による生産計画変更で、納品時期が後ろ倒しになる可能性
    ⇒運転開始期限の迫る案件については一層の注意が必要。
  • 北京オリンピックを控え、新型コロナウィルス拡大を抑えるためのロックダウン
    ⇒特にアルミ架台メーカーが多数存在する厦門港はロックダウンの可能性が非常に高い。

分離発注で価格高騰&商品不足を乗り切る!

このように、パネル・架台の価格は原材料不足のみならず電気まで不足したことによって、今後更に上昇する可能性があります。業界全体の問題のため、特定のメーカーや商流のみが異様に安いといったことは、今後半年間はまず発生することはありません。
 
そのため、今後は、特定の商流に依存してパネルやPCS、架台を一式で発注するのではなく、多少手間はかかっても、部材ごとに仕入れを行う分離発注を行ってください。各メーカー、商流の価格相場やそれぞれの納品予定時期をしっかりと吟味した上で発注を行ってください。
 
さらに、この状況下では、特定の1つの商流に仕入れを依存すると、欲しいときにほしい部材が手に入らない可能性があります。そのためにも、メーカー・商流は分散させて、確実に必要な部材を仕入れることができるようにするネットワークづくりが重要になります。
 
部材がなくては工事もできず、売上も立ちませんので、商品不足のときこそ、仕入れに最も労力を割くべき重要な役割になります。
 
 
前述のリスクの部分でも触れたように、電力不足問題は特に「納期」に非常に大きな影響を及ぼします。電気の使用量規制なども、今後の見通しが不明瞭なため、政策決定次第で、パネルや架台の納品が更に後ろ倒しになる可能性もあります。
 
現時点でも、「年内納品予定だったパネルが年明け2月になってしまうため代替品を探している」というようなお声も多数寄せられています。
 
また、比較的リードタイムの短いアルミ架台では、すでに、従来2週間程度で納品を行えていましたが、すでに最低でも3週間以上の納期を設定するメーカーが増えてきています。
 
 
そのため、直近で運転開始期限の迫る低圧案件などは、従来どおりのスケジュールで発注を行うと間に合わない可能性が非常に高いです。少なくとも、来年上半期に運転開始期限を迎える案件については、今月中の部材発注を強くおすすめします。今後数カ月間については、原材料、電気双方の不足により価格が下がる要因が殆どないため、現時点で、発注を入れ、メーカーの生産計画に入り込むことが非常に重要になります。
 
このように、仕入れを取り巻く環境は日々変化をしていますが、日々の最新情報を更新し、早め早めの発注を行うことで従来と変わらない仕入れを行うことは可能です。
 
本日もお読みいただきありがとうございます。
 

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