「法人向け太陽光」攻略のための正しいステップとは?<前編>



【電気工事業・設備工事業・ガス販売業向け】自家消費型太陽光事業参入レポート

皆様、こんにちは。
「自家消費型太陽光への取り組みを本格化しなければいけないけど、
結局何から手を付けたらいいのかわからない…」と思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、自家消費型太陽光の業界情報を整理し、
自家消費型太陽光を販売していくために何から取り掛かればよいのかに
ついて執筆させていただきます。

本コラムのポイント

●自家消費型太陽光元年!国内で高まる自家消費市場
●法人への販売ステップ1:提案パターンを熟知すべし!
●法人への販売ステップ2:商品構成を明確化すべし!

●自家消費型太陽光元年!国内で高まる自家消費市場

先日のメルマガでもご紹介させていただきましたが、2019年はFITに関する重要な変更案が数多く発表されました。
2020年度は、高圧でFITが活用できる最終年度であると同時に、自家消費型太陽光の市場が拡大することが予想されます。
その裏付けとして、主に二つ上げられます。

一つ目の理由は、自家消費型太陽光を普及させようとしている国の取組です。
2019年10月末の経済産業省の調達価格等算定委員会で、
「2020年度以降は『自家消費型の地域活用要件』を設定し、これに該当する事業にのみFITを適用する」という案が出されました。
同委員会で地域活用を実施する電源を「自家消費型」と「地域消費型」の2つに分類しています。

「自家消費型」とは、屋根などに太陽光を設置し、発電した電気はその事業者で消費するモデルです。
また「地域消費型」とは、災害時に地域住民が電力を利用できることを前提とした上で、
通常時は地域電力会社に対して売電を行うモデルとしています。
10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電案件でのFIT活用は「余剰売電型」に限定されるという発表があったことからも、
今後は自家消費型が主流になることは間違いないでしょう。

二つ目の理由として、企業における再エネ電源の価値が上がったことも挙げられます。
「RE100」は、徐々に拡大を続けており、2020年1月現在においては世界で200社以上、日本では30社以上にまで拡大しています。
これらの取り組みは、大企業のみならず中小企業にも拡大しており、
2019年10月に日本で発足した「再エネ100宣言REaction」には、
2020年1月末時点で、公共機関、民間企業を合わせて、51団体が加盟しています。
「再エネ100宣言REaction」に加盟する企業は、ますます増えていくことが予想されます。
中小企業が再生可能エネルギー由来のクリーンなエネルギーを求めるため、自家消費型太陽光は時流に乗った商材といえます。

●法人への販売ステップ1:提案パターンを熟知すべし!

企業が再エネ電源を導入する方法は多岐に渡ります。
企業の屋根を貸すことを条件に無償で太陽光設備を設置するPPAモデル、再エネ電力の購入、
二酸化炭素の排出しない電力の環境価値を取引する非化石証書の購入など多岐に渡りますが、
今回はその中でも、企業の屋根上・敷地内に自家消費型太陽光を設置する
「オンサイト型」の提案パターンについて言及させていただきます。

【1】余剰売電型モデル

「余剰売電型」は、屋根に自家消費型太陽光を設置し、自社で使用する分以上に電気の余剰分をあえて発生させるモデルです。
このモデルのメリットとしては、電力使用量以上に発電させるため、高い電気代削減効果が見込めます。
また、FITを活用して、余った電力を売ることができるので売電収入を得ることも可能であるため、投資回収年数は比較的早くなります。

一方、デメリットは補助金の活用が出来ないこと、また電力系統に接続しなければならないため、
系統の空きが無ければそもそも設置することができないことが挙げられます。
また、余剰売電型モデルはFITを活用するモデルですので、各種申請に時間がかかります。
このパターンでも優遇税制は活用可能ですが、2021年3月31日までの発電開始が必須であり、
FIT申請の時間を考慮すると、4月以降すぐに申請を出していく必要があります。

【2】出力制御型モデル

「出力制御型」は、太陽光パネルが発電する電気の量を抑える「出力制御装置」を付け加えることで、
事業者の電力使用量に対して発電量をコントロールし、逆潮流を起こさないようにする ことができます。

このモデルのメリットとしては、電気代削減に加え、補助金や優遇税制を活用することができます。
また、逆潮流が発生したときに、PCSを停止させるRPRが作動するリスクを限りなく低く抑えることできるのが最大の魅力と言えるでしょう。
もしRPRが作動してしまった場合、電気主任技術者を派遣しなければなりません。
またRPRが作動しPCSが動かなくなった場合、その間は発電できないため発電量の低下を招きます。
このようなコストやリスクを考えると、出力制御装置を設置することは必須と言えます。

一方、デメリットは発電した電気を完全に自社で使用するため、売電収入を得ることができないことや、
「余剰売電型」モデルと比べて出力制御装置が追加されているので、導入コストがやや高くなってしまうことです。

しかしながら、FITが今後なくなっていくことを考えると、この「出力制御型」は主流になっていくでしょう。

<h3>●法人への販売ステップ2:商品構成を明確すべし!

自家消費型太陽光を販売していくうえで、必要となってくるのが「商品構成」の策定です。
今現在、自家消費型太陽光の販売を推進する企業の中でも、実際にどのような商品を使用していけばいいのか、
お悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回、自家消費型太陽光の商品構成の一例をご案内します。

【100kWの自家消費型太陽光を導入する場合】
・パネル JinkoSolar社製 320W
※自家消費型太陽光において、パネルに関しては全量野立てのモノを使用することができるため、30円前後の多結晶パネルを 活用できます。
・PCS 安川電機社製 9.9kW×10台
※9.9kWのPCSが1台当たり25~30万円のため、100kWの場合は約250~300万円ほどかかります。
・制御装置 エナジーソリューションズ社製
※検定付きスマートメーターを内蔵し負荷に対しての追従が可能です。ほぼすべてのメーカーのPCSに対応しています。
・架台
屋根上設置の場合、野立て太陽光発電のような大きな架台は不要であるため全量売電型太陽光発電のときよりもさらに安く抑えることができます。

これらは代表的な自家消費のPCS、出力制御装置のメーカーを記載していますが、市場には多くの商品がありますので、
その中で自社の提案に合ったベストな商品を確立することが重要です。
また上記の費用に加えて、電気工事、おもにキュービクルの改造のための費用がかかります。
さらに電気主任技術者の方を雇うことも考えなければなりません。

本サイトのコラムでは、引き続き法人販売を成功に導くための
資料作成術と見込み顧客の選定方法についてお伝えしていきます。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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