脱FITはまだ早い!? 2021年&2022年のFIT太陽光事業の進め方

脱FITはまだ早い!? 2021年&2022年のFIT太陽光事業の進め方

 

_/_/_/_/_/_/目次_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 

・低圧全量は原則不可。今年度と来年度のFITは高圧入札狙いに一本化。

・FIT高圧案件の申請・入札・手続きスケジュール

・第9回入札に向けた動きを今スグ開始してください!

 

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低圧全量は原則不可。今年度と来年度のFITは高圧入札狙いに一本化。

 FIT単価などを検討する調達価格等算定委員会は、1月末「令和3年度意向の調達価格等に関する意見」を発表しました。本意見では、本年度と来年度のFITの大枠が提言されています。下記はその抜粋です。

 

①10kW未満太陽光
2021年度:19円/kWh(税込)
2022年度:17円/kWh(税込)
※買取期間は10年間

②低圧太陽光10kW~50kW
2021年度:12円/kWh+消費税
2022年度:11円/kWh+消費税
※買取期間は20年間※地域活用要件(30%以上の自家消費率、停電時のブラックスタート機能及び給電機能)
※ただし、農地一時転用許可期間が10 年間となりうるソーラーシェアリング案件については、全量売電が可能。

③高圧太陽光50kW~250kW未満
2021年度:11円/kWh+消費税
2022年度:10円/kWh+消費税
※買取期間は20年間

④<入札>高圧太陽光250kW以上
2021年度開催分上限価格
第8回入札:11円/kWh+消費税
第9回入札:10.75円/kWh+消費税
第10回入札:10.5円/kWh+消費税
第11回入札:10.25円円/kWh+消費税

2022年度開催分
※未定

 

上記のように、まず、FITについては2022年度まで存続します。しかしながら2020年度と同様に低圧案件での全量売電は原則不可となりました。

 
ただし、農地一時転用許可期間が10 年間となりうるソーラーシェアリングについては、例外的に全量売電が可能となります。この場合でも、ブラックスタートが可能な自立運転機能付きPCSの設置と、停電時の地域住民への電気供給を行うためのコンセントBOXの設置が義務付けられています。しかし、ソーラーシェアリングが農業と不可分であることから、農業法人を持たない施工販売店にとって新規参入は非常に困難であるといえます。そのため、全量売電が可能な高圧案件へ焦点を絞り、1件でも多くの高圧用の土地を仕込むことを今月から来年にかけて行っていく必要があります。

 

FIT高圧案件の申請・手続きスケジュール

非入札の250kW未満の案件の大まかな手続きスケジュールを下記に示します。
 
<250kW未満案件の手続き>

  1. 系統の空き容量の確認
  2. 事前検討 1ヶ月程度 無料
  3. 接続検討 2ヶ月~3ヶ月程度 接続検討費用22万円(税込)
  4. 接続契約半年
  5. FIT事業計画提出※例年、翌1月ごろまで

高圧案件と低圧案件の申請手続きの大きな違いは①空き容量の確認の必要、②接続検討&接続契約の期間の長さの2点です。
低圧案件であれば、土地の獲得ができれば電力会社といきなり接続契約に移れますが、高圧の場合、電力系統の空き容量の有無によって接続できるかどうかが変わります。
また、このような問題を背景に、案件ごとの「接続ができるかどうか」を一般送配電事業者へお伺いする「接続検討」の手続きが必須になります。

 

 2020年度の事例ではこの接続検討に2ヶ月~3ヶ月程度かかっており、またエリアによっては、3ヶ月以上かかる例もあります。さらにその後、接続可能であれば、接続契約の手続きに移ります。高圧案件であれば、約半年程度、FIT事業計画提出時に必須の「接続の同意を証する書類」の取得までかかります。このように、一般送配電事業者との接続検討・接続契約だけで最大10ヶ月近くかかるため、例年の事業計画の提出締め切りである1月ごろから逆算すると、3月中には接続検討を提出してもギリギリ21年度の事業計画提出に間に合うかどうか、というスケジュールです。

 

第9回入札に向けた動きを今スグ開始してください!

◆主役はあくまで「太陽光」!商談の切り口は全て「太陽光」に!

一方で入札案件であれば、事業計画の提出時点で、接続契約が終わっている必要はなく接続検討のみが完了していれば、入札に参加することができます。つまり、入札案件であればこのようなフローに変わります。

<250kW以上入札案件の手続き>

  1. 系統の空き容量の確認
  2. 事前検討 1ヶ月程度 無料
  3. 接続検討 2ヶ月~3ヶ月程度 接続検討費用22万円(税込)
  4. 事業計画書提出
  5. 事業計画の審査
  6. 入札開始
  7. 落札
  8. 接続契約開始(※落札後7ヶ月以内に締結)

詳細は未定ですが、現状確定している情報として、④事業計画提出の締切日第8回入札(上限価格11円/kWh)は5月7日、第9回(上限価格10.75円/kWhは締切日が7月16日であることは確定します。
そのため、第8回の入札に参加しようと思うと、今月中に接続検討を開始する必要があります。これからAC250kW以上の太陽光を設置する土地を探す場合は、第8回入札には間に合いませんので、第9回入札への参加を前提に、4月~5月頃まで土地を探し、地権者様と交渉しつつ同時並行で接続検討を行えば十分に間に合う可能性があります。

 

加えて、従来の入札では、上限価格が非公開で行われていましたが、今年度は事前に上限価格が公表されているため、上限価格未満で入札すれば落札できる可能性が非常に高いです。従来の土地仕込みのノウハウがそのまま活用できる最後のチャンスとなりますので、ぜひ、高圧入札にチャレンジしてみてください!
 
次週のメールマガジンでは、現在のモジュールやPCSなどの部材原価状況や廃棄費用積立制度や発電側基本料金などを踏まえたFIT高圧入札案件の事業性について検討いたします。
 
本日もお読み頂きありがとうございます。

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