【低圧PPA提案】これからの自家消費販売のカギ!
【低圧PPA提案】これからの自家消費販売のカギ!
今回は「PPA(0円設置)モデル」の新たな提案手法をご紹介いたします。
「PPA(0円設置)モデル」とはPPA事業者が無償で太陽光発電をお客様の屋根上に設置し、お客様が自家消費した分を電気代としてPPA事業者に支払うというビジネスモデルです。
お客様側にとっては初期費用をかけずに電気代削減ができるというメリットがあります。今までのPPAモデルは大規模なものが多く、どうしても受注までの期間が長くなってしまっていましたが、今回は受注までの期間を短くし、かつ件数をこなすことができるモデルをご紹介いたします。
PPAは低圧の需要家に提案を実施すべし
今回ご紹介するのは「低圧需要家向けのPPAモデル」です。これは低圧契約をされている個人商店や事務所に対してPPAを提案するモデルです。現在PPAモデルのもつ課題を解消し、短期間で利益を出すことのできるビジネスモデルとなっています。
実際にある会社様では、このPPAモデルを活用し、昨年度に主に幼稚園、保育園、アパート・マンション、社福にテレアポを約20,000件実施し、アポイントを200件取得しています。そこから見積もり80件、受注40件を達成されています!
このような実績を出すことができた低圧PPA受注のポイントについて、解説させて頂きます。
では、まず初めに現在のPPAモデルが抱える課題からご説明いたします。
- <課題①>キャッシュフローが回らない
- PPAモデルを自社で立ち上げることも可能ですが、高圧規模の案件となると1物件当たり数千万単位のキャッシュが先に出ていってしまうことになり、受注件数を伸ばしていくことがキャッシュフロー的に難しくなってしまいます。
- <課題②>薄利なビジネスモデルになってしまう。
- PPAを自社立ち上げでなく協業して行った場合、「紹介料だけをもらう」「工事だけ入らせてもらう」などどちらかというと薄利なビジネスモデルとなってしまいがちです。
- <課題③>受注までの期間が長い
- 高圧規模の案件の場合、どうしても1物件あたりの金額が高額となってしまい、稟議も時間がかかってしまうため、結果的に受注に至るまでの期間が長く、1~2年がかりの営業が必要となってしまいます。
この3つの課題を解決するのが、「低圧需要家向けPPAモデル」です。
このモデルのメリットは大きく二つあります。
①投資回収年数が短くなる
高圧需要家はもともと購入している電気料金の単価が低くなっています。賦課金込みでも14円前後の事業者もいることから、この下をPPAでくぐろうと思うと、10円~11円といった世界で勝負しなければならないため、投資回収の期間が長くなってしまいます。
その点、低圧需要家の場合、高圧に比べて電気料金が高く、賦課金込みで20円/kWh以上となっています。その為、低圧の場合は10円/kWh代後半で投資回収ができる為、投資回収期間を圧倒的に短くできます。
②施工数を増やすことができる
低圧の需要家にPPAを設置する場合、20~30kWの物件が多くなるため、原価も300~400万程度に収まります。高圧のPPAよりも単価が低く抑えられるため、キャッシュフローの観点からも施工できる件数を増やすことが可能となります。
PPAモデルで獲得できる収益について
ここで、このモデルのシミュレーションをご紹介いたします。
今回のケースでは東京電力で低圧契約をしているお客様で、PPA導入前の電気料金単価は賦課金合算額で20.73円/kWhとします。この電気料金単価からPPAの導入により電気料金単価を2円/kWh安くする提案を想定します。つまり、PPA導入後のお客様の電気料金単価は18.73円/㎾hとなる場合で試算していきます。
システム容量は以下の通りです。
- <設置容量>30㎾
- <年間発電量>33,000kWh(発電量を11,000kWh/㎾とする)
- <年間自家消費率>70%
- <余剰売電単価>12円/kWh
- <設置㎾原価>100,000円/㎾
- <設置総原価>3,000,000円
- <契約期間>12年
投資回収年数、総収益、獲得粗利は以下の通りに算出されます。
上記からもわかるように5.65年という短い期間で投資回収が可能となります!
低圧契約の小規模なPPAであれば、投資回収年数も短く、短期間で利益を上げることができます。
フックはPPA、ゴールはお客様所有の自家消費受注
このモデルの重要なポイントは提案の際にPPAモデルとオンサイト自家消費を比較することです。
目標はあくまでオンサイト自家消費の受注であり、PPAモデルは「0円で設置できる」というメリットを生かした営業のフックとして活用していきます。
提案の流れといたしましては、初回提案で「0円設置できる太陽光発電があります」とPPAモデルをフックとして、お客様にまずは興味を持っていただきます。
そして2回目以降の提案の際は、PPAモデルとオンサイト自家消費の比較をお客様にお見せします。「PPAは0円設置可能だが、電気代削減効果は薄い」「オフサイトは初期費用が掛かるが、電気代削減効果大で補助金・優遇税制使用可能」などといったことを比較し、オフサイト受注に落とし込みましょう。
このPPAモデルを提案の一つとして持っておくことで、より幅広い営業が可能となりますので、ぜひご参考ください。
本日もお読みいただきありがとうございました。