太陽光・蓄電池の販売店が「アグリゲーター」になるために不可欠な視点とは?
太陽光・蓄電池の販売店が「アグリゲーター」になるために不可欠な視点とは?
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アグリゲーターは「AC」と「RA」の2つに分類できる
「RA」の役割
協業先は3つの視点をもって選びましょう!
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「VPP(仮想発電所)」とは、DER(分散型エネルギーリソース)をIoTを用いて遠隔・統合制御することで、発電所と同等の機能を提供することを指します。
DERには、再生可能エネルギー発電所/ZEH/ZEB/コージェネレーションシステム/家庭用・産業用蓄電池などがあり、これらの調整力をまとめて経済的価値を生み出す事業者を「アグリゲーター」といいます。
今回は、アグリゲーションビジネスの中心である「アグリゲーター」の業務内容や協業先について解説します。
アグリゲーターは「AC」と「RA」の2つに分類できる
日本では、アグリゲーターは、アグリゲーションコーディネーター(AC)とリソースアグリゲーター(RA)の2つに分類されます。
- AC:複数のRAをとりまとめ、リソース全体の制御指令の管理を行う
- RA:リソースを集め、ACの指令に従い分散電源を制御する
ACになるためには、1,000kWの規模のリソース、特定卸供給事業者のライセンス(2022年から)が必要になるため、まずは「RA」事業者としてアグリゲーションビジネスに参入しましょう!
「RA」の役割
RAの最も重要な役割は、リソースを集め、制御可能な状態にすることです。
例えば、家庭用蓄電池RAの場合、 需要家とVPP契約を結び、HEMS機器の設置をします。
需要家とのVPP契約においては、需要家が設置した蓄電池を活用させていただくため、需要家への経済メリットを訴求しなければなりません。
例えば、契約すると、20,000円/年を報酬として支払う、などです。
また、家庭用蓄電池RAは、HEMS機器を設置し、需要家の家庭用蓄電池の充電状況を把握し、 蓄電池の充放電の制御をしていきます。
日本では、「AC=VPPのプラットフォーマー」のケースが多く、 プラットフォーム内に、予測・スケジューリングができるシステムが含まれているため、 実際はシステムが自動的に行う部分が多くなると想定されます。
協業先は3つの視点をもって選びましょう!
RAは、ACを通じて市場取引を行い、 主にACが提供しているリソース管理・発電/需要予測・制御が可能となるシステムを購入する必要があります。 AC、プラットフォーマーを選ぶ上で注目するべき点は3つです。
- (1)予測技術の精度
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RAは、需要・発電予測を元に立てた計画と、実際の需要量・発電量が異なる場合にペナルティが生じる、インバランスリスクを抱えます。
インバランスリスクは大きな事業リスクとなるため、予測の精度が高いシステムを選びましょう。 - (2)蓄電池の制御技術
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VPPのプラットフォームには、蓄電池が制御できるものと、できないものがあります。
蓄電池を主要リソースとして保有したいアグリゲーターは、蓄電池制御システムは必須となるので、 蓄電池制御ができるシステムか確認するようにしましょう。 - (3)事業モデルに対応するか
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- 現在、電気設備工事業を行っている事業者は、工場設備等のDRができるシステム
- 家庭用蓄電池を販売している事業者は、蓄電池制御ができるシステム
- 産業用太陽光を施工している事業者は、発電量を正確に予測し計画を立てることができるシステム
が既存のビジネスモデルとのシナジーを生み出すためにも不可欠です。
既存のビジネスに合わせて、必要なシステムが十分なものを選びましょう。
FITビジネスで太陽光や蓄電池を設置してきた企業は、リソース保有顧客との接点があるため、アグリゲーターになると、大きなビジネスチャンスがあります。 協業先選びは非常に大事ですので、上記の視点で確認してみてください。