2022年パネル価格はどうなる!? 最新仕入れ動向Part②
2022年パネル価格はどうなる!? 最新仕入れ動向Part②
平素よりメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
先週に引き続き、今週のメールマガジンでは「産業用太陽光部材の仕入れ」に焦点をあてます。
前回メールマガジンでは、パネル価格は35円/W前後で落ち着きつつあるものの、北京オリンピックが終了する2月末までは価格変動や納期変更の可能性が大いにあり、注意が必要とお伝えいたしました。
今回のメールマガジンでは、自家消費型太陽光分野の部材仕入れに焦点を当てます。
FITの段階的な縮小により、2018年ごろから少しずつ導入実績が増えてきた自家消費型ですが、2021年は脱炭素化の社会的な要請や充実した補助金による後押しを背景に、大量のお引き合いや受注が生まれた1年でした。2022年はこのような動きがさらに加速し、屋根設置型の自家消費型太陽光をはじめ、PPAモデルやオフサイトコーポレートPPAなど様々なFITに依存しない太陽光のビジネスモデルが急拡大します。しかしその一方で、「半導体不足」「部材不足」が深刻な影響を与えます。
下記より、令和4年度に設立される補助金とそのスケジュールに触れたうえで、主に自家消費型に与える部材不足の影響を解説致します。
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2022年は自家消費&PPAの補助金が充実!
PCSや継電器の長納期化で補助金申請は実質ワンチャンス?
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2022年は自家消費&PPAの補助金が充実!
2050年カーボンニュートラルの実現、また、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを政府は目指しています。そのため、直近の第一目標となる2030年の温室効果ガス46%削減に向けてあらゆる政策を総動員することを掲げています。2022年は環境省、経済産業省より潤沢な予算のもと、あらゆる補助金が準備されています。今回のメルマガでは3つの補助金を取り上げます。
①ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
監督省庁:環境省
令和4年度概算要求額:164.5億円
※他事業との合算
対象事業者:民間事業者
対象設備:太陽光発電、蓄電池
対象経費:設備費、工事費
補助額:上限額 1.5億円
- 太陽光発電:4~5万円/㎾
- 蓄電池家庭用蓄電池5.5万円/㎾h、産業用蓄電池7万円/㎾h
- 工事費10万円上限
②新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
令和4年度概算要求額:164.5億円
※他事業との合算
対象事業者:民間企業、その他法人(社会福祉法人、医療法人など)
対象事業 :
①建物における太陽光発電の新たな設置手法活用事業
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
対象経費:設備費、工事費
補助率:
対象事業①→1/3
※カーポートや壁面設置タイプなど。
対象事業②→1/2
※水上太陽光やソーラーシェアリングなど。
③需要家主導による太陽光発電導入加速化補助金
令和4年度概算要求額:80億円
対象事業者:法人
対象設備:太陽光発電
要件:
- オフサイトであること(オンサイトはNG)
- 一定規模以上(2MW)であること・非FIT、非FIP、非自己託送であること
- 対象設備が令和5年2月28日までに運転開始すること
対象経費:設備費、工事費、系統連系費用など
補助率 自治体向け:2/3、民間企業向け:1/2
※各種補助金情報は2022年1月5日時点の情報、今後、変更される場合があります。
このように、環境省および経済産業省より、Non-FIT太陽光向けの補助金が準備されています。
現時点では予算申請の段階ですが、例年通りであれば下記のスケジュールで進行します。
<補助金スケジュール>
2022年3月::予算国会で成立、補助金執行団体選定
2022年4月中旬頃~5月頃:補助金詳細公表&公募開始
2022年5月~6月頃:一次公募締め切り
2022年7月~8月頃:採択結果発表、施主との契約、部材の発注など
2023年1月~2月:発電設備の運転開始※完工、検収
上記は例年の一次公募のスケジュールです。
4月頃に詳細が発表され、5月~6月に公募締め切りという非常にタイトなスケジュールです。
一次公募の結果、残り予算との兼ね合いで2次公募、3次公募と追って追加募集が行われます。
しかし、補助金事業の性質上、何回目の公募で採択されたとしても、必ず年度内、場合によっては翌23年1月中に完工・検収をさせなければなりません。
この制約が、現在の部材不足には大きな影響を及ぼします。
PCSや継電器の長納期化で補助金申請は実質ワンチャンス?
世界的な半導体不足を背景に、PCS、継電器(RPRやOVGRなど)、果ては66kVケーブルまでもが、手に入りにくくなっています。ものによっては、受注停止や納期未定のものあったり、納期が判明しているものでも約6か月~8か月の長納期を必要とします。
先述の通り、補助金事業は、4月~5月にエンドユーザーと基本合意を交わした見積もりで補助金の公募申請を行い、翌年1月または年度末までの完工・検収、発電設備の運転開始まで行う必要があります。
もし、現状の部材不足がこのまま続くと、自家消費型太陽光の施工に不可欠なPCSや継電器などの重要部材の納期が6か月超かかることを念頭に置く必要があります。つまり、一次公募で採択されも、採択発表から完工まで約6か月~8か月の期間しかないため、部材手配が間に合わない可能性があります。
そのため、入手が難しいPCSや継電器を活用するタイプの自家消費型太陽光の補助金申請のチャンスは実質的には一次公募の1回のみ、となってしまう恐れもあります。
すでに補助金獲得に向けてエンドユーザーへのご案内や営業活動を開始されている方もいらっしゃると思いますが、設計、見積もりの段階から常に商社などに納期についての確認は徹底して行ってください。また、確実に1次公募で採択されるように、申請書類作りにも早期から着手すべきです。
2022年1月の時点では、国産三相PCSや継電器などが不足しています。
補助金事業は、基本的には採択後の部材変更はNGですので、可能な限り、短納期で入手可能な海外製PCSなどで代替することをおすすめいたします。しかし、継電器のように代替が難しい部材もあります。
このような場合は、先行して発注をして部材を確保するか、お付き合いの深い商社などに依頼をして、部材を確保してもらいつつ本発注を補助金の採択結果発表後にしていただくなど工夫が必要です。
従来のFIT事業では、いかに安く部材を仕入れることが最重要でしたが、Non-FITビジネス、特に補助金事業においては、納期通りに、確実に部材を仕入れ工事を行うことが重要になってきます。
冒頭でお伝えしたように、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減の目標に向けて今後数年間は、自家消費型太陽光をはじめとするNon-FITの太陽光の大量導入に向けた支援政策が大量に準備されます。この時流に乗り、これまでFITで培ったノウハウを元に、2022年以降、Non-FIT太陽光ビジネスで勝ち続けるためには、「部材仕入れの安定化」が必須です。仕入れを取り巻く外部環境は厳しい状況が続きますが、あらかじめ準備をしておけば問題なく乗り越えることができます。本年は販促と並行して仕入れ体制の確立、分散化による安定化に注力してはいかがでしょうか。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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