EPC企業向けPPAモデルへの対策

EPC企業向けPPAモデルへの対策

自家消費型太陽光発電の普及により、「初期費用0円」を売りにしたPPAモデルが拡大しつつあります。
一方で、PPAモデルはPPA事業者と協業するとなると、EPC企業にとってのメリットが限定的になり、提案から導入に至るまで多くの課題が残るのも事実です。
今回は、PPA提案におけるEPC企業側の注意点と、検討するにあたってのメリット、そして、競合案件でPPAと対峙してしまった際の対策をご紹介します。

EPC企業におけるPPAモデルの注意点

PPAモデルが人気である最大の理由としては、「初期費用0円」という導入障壁の低さです。
また、導入障壁の低さゆえの「提案のしやすさ」がEPC事業者様にとっても最大のメリットでしょう。

しかし、このPPA提案は実際の営業時にはフックとして用いられる場合が多く、PPAモデルでの受注となることは少ないように感じます。
その理由としては、PPA事業者と協業して提案するPPAモデルが、EPC事業者様にとって下記2つの課題を抱えていることが挙げられます。

①「対象先(需要家)」への審査基準が厳しい場合がある
通常のPPAモデルでは、発電所を所有するのはPPA事業者です。
多くのPPA事業者は電力供給先の企業が倒産するリスクを最大限抑えるため、独自の与信基準を設けています。その与信基準が厳しく、中小企業では与信をクリアできないといった事例も出ております。
例1)帝国データバンクの財務スコアが55点以上
例2)折半屋根に限定
例3)パネル積載容量が100kW以上が条件 など
そのため、PPAモデルを提案できる企業の数は少なくなってしまいます。

➁EPC企業が案件当たりで獲得できる利益が少ないことがある
PPA事業者と協業してPPAを行う際には、PPA事業者の定めた材工単価内で案件を組成する必要があります。
請負価格の価格設定が10万円/kW程度と高くはありません。
加えて、パネルなどの部材を指定しているケースも散見され、自己所有型に比べ、同じ規模の案件を組成したとしても確保できる利益額が少なくなってしまいます。

PPAで競合案件となってしまったどうすれば良いか

PPAモデルが増えている中で、自社がPPAで提案したにも関わらず、競合企業がPPAで提案してきた・・・というケースも散見されます。
この場合の対策をご紹介します。

①自社PPAで単価引き下げを図る
あくまでもPPA事業者へ頼らず、自社がPPA事業者となり、顧客に提案する方法です。
簡単にいえば「自社発電所を法人へ設置し、全量買取してもらう」ということなのですが、
自家消費量と余剰売電量の計算(つまり請求業務)や、20年程度の管理を行う必要がありますので、負担感は大きいです。
今年は補助金も活用できるので、ある程度はコスト減になりますが、資金調達が上手くいかない場合は別の提案を考えていくべきです。

②リース会社を活用する
PPAと似たモデルで「リースモデル」があります。初期費用は掛かりませんが、メンテナンス費用などのランニングコストが掛かることや、リース料が発生します。

EPCにとってのメリットは、

  • 資金負担が不要(与信判断をしなくても良い)
  • 請求業務から解放される(リース会社によるリース料支払いの為)

などがあります。
”完全無料”とは言い切れないものの、取引のあるリース業者に事前に相談の上、対応が出来れば、PPA同様で早期回収が出来るリースも検討する価値はあるでしょう。

③自社保有型(購入型)でクロージングする
自社所有型はコストはかかるものの、電気代削減効果が最も高く、優遇税制や補助金も申請することが出来る為、トータルで考えれば、メリットが最も大きい設置形態です。
初期投資ゼロにのみ、興味関心を抱いている需要家に対しては、「比較表」を活用する等、トータルメリットを鑑みた提案を重視して、顧客に提示しましょう。

いかがでしたでしょうか?
法人向け太陽光では、設置形態の多様化で需要家側も情報収集しています。

顧客にとって最適な提案が出来る様、準備して営業活動を進めていきましょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。

 
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