NonFIT太陽光市場の動向と今後の見通し

NonFIT太陽光市場の動向と今後の見通し

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FIT制度を活用した投資型太陽光の新規開発は大幅縮小する一方で、「NonFIT・野立て」の太陽光発電所を活用したオフサイトモデルが拡大しています。

発電事業者向けの補助金も発表され、業界が盛り上がりを見せている中、足許の業界市場と今後の見通しをお伝えします。

低圧から高圧も含めたMW規模の需要あり

3月から開始されている「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」では、発電事業者に対し、太陽光発電設備等に対し、1/2~2/3の補助金が出る内容となっており、業界関係者の注目が高まっています。

この補助金は、契約内容が「オフサイトからの電源供給」となり、オフサイトPPAなどの契約形態で需要家・小売電気事業者・発電事業者が3社1体となり組成していくものです。

補助金名に「需要家主導」とあるように、基本的には需要家の調達したい電力量が中心になりますが、この需要量がMW規模になっている状態です。例えば、

  • 国内大手企業
  • 50MW程度調達したい
  • 20年以上のオフサイトPPA契約

このような需要家案件が出てきています。

加えて、最近の電気代高騰により、一定単価で再エネ電源を調達したいという企業も今後出てくる可能性は十分にあります。

今は補助金を活用すれば、発電事業者側の収益性が向上しますが、補助金が無い時期でも需要家は再エネ電源調達を検討し続けているため、オフサイト発電所の開発は今後大きく拡大していく見通しです。

EPC企業が取り組むべきこと

大手企業による再エネ電源需要が拡大しながらも、この流れは、取引先である中堅・中小企業にも次第に派生していきます。
また、大手企業は電力調達コストが安価であり、オフサイトPPAを活用しても発電事業者側の採算が取りにくいケースがありますが、中堅・中小企業になれば、電力調達コストは上がり、オフサイトPPAを活用する場合でも、採算性は確保しやすくなるでしょう。

EPC企業としては、このような案件に関わっていく方法として、
①発電事業者へ販売
②自社がEPC兼発電事業者となり、需要家へ供給
この2つがあります。

①はこれまで取り組んできた土地付き太陽光発電所を開発し、発電事業者へ売却というものですが、個人投資家に対して販売してきた「低圧1件、2件」という規模感ではなく、数MWレベルでの開発が求められます。
そのため、太陽光用地の取得が喫緊の課題であり、国内大手・準大手のEPC企業は、全国で用地獲得に早くから動き出しています。
脱炭素対策を進めている自治体等とも連携し、遊休地の有効活用として太陽光発電所の開発を進めている企業もあります。

②は、EPCも実行しながら、自社所有の発電所で需要家へ供給する方法です。
前述の通り、需要量が多く、資金調達が課題になっていますが、需要家側との契約内容をしっかりと定める事により、調達を進めていきましょう。
脱炭素関連融資制度も大出金融機関だけでなく、地方銀行等でも充実してきており、低利での資金調達が出来るな時代です。

このような案件を獲得する方法としてパートナーを見つけていく必要があります。

パートナーとは、「需要家」、「小売電気事業者」、「発電事業者」ですが、旧一般送配電事業者などでは、既存の大口需要家に対するオフサイトPPAでの案件組成がしやすく、各電力エリア内で有力な小売電気事業者と協業体制を築くことが案件受注への近道になります。

加えて、発電事業者についても、FIT高圧入札結果などを情報源として、EPC企業を開拓しているとの情報もあり、今求められているのは間違いなく、「野立て発電所の開発が出来る企業」です。

NonFITにおいても、FIT制度同様に低圧分割の禁止や、廃棄費用積立計画といった開発・運用時におけるルールは遵守しなければいけません。
FIT制度が終わるからもう撤退・・・ではなく、今までの経験・知識を最大限活かせ、スケールアップした案件が今後出てくることが予想されます。

オフサイト発電所を中心としたNonFIT市場に是非参入してみてはいかがでしょうか?

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