【太陽光パネル・PCS・架台】直近価格動向と今後の見通し

平素よりコラムをご購読いただき、誠にありがとうございます。

産業用太陽光市場では、オフサイトPPA等を活用したNon-FIT開発の市場も拡大しつつある一方、EPC側での「物件開発コスト」、特にパネル、PCS等の価格高騰により、事業採算性が厳しくなっています。
今回は、直近の価格動向や今後の見通しについて、解説させていただきます。

太陽光パネルの直近の相場観

為替変動、ウクライナ・ロシア紛争問題、コロナウイルスなど、外部環境の変動が激しく、製品の生産状況が悪化していることもあり、直近のパネル相場は以下のようになっています。

<2022年6~7月時点での調査>
※価格は通関費込み・送料別
※仕入れロットは、1物件分~1コンテナ分が混在

<335W~445W>
⇒34.5~38.3円/W

<450W~600W>
⇒37~38.8円/W

大手メーカーの製品でも、35円/W~40円/Wという価格帯が多くなっていますが、9月以降も状況は大きく改善される見通しはなく、毎月・毎週のように価格が変動する可能性があります。
さらに、メーカーによっては、納期に1ヶ月以上待つということが発生しています。

加えて、太陽光パネル大型化も進んでおり、500W以下のパネルの生産終了の報道も見受けられるようになってきました。

外部環境としても、欧州一部地域では、
ロシアからのエネルギー資源の輸入制限を行っており、
代替案として再エネの推進が挙げられています。
つまり、中国メーカーを筆頭とした太陽光パネルメーカーは日本向けではなく、他国向けの生産体制を強化してくことも想定され、
良いトピックスが少ない状況になっています。

PCS・架台の直近相場について

①PCS情報
※単相PCS
⇒4.95~5.5kW:73,000~96,500円/台

PCSについては、ファーウェイ製PCSを使用されているEPC企業が非常に多く、
価格、納期についても従前どおりの相場を維持できていることや、品質面でもトラブルなく使用できていることが評価されているようです。
他社製PCSについても、従前から大きく価格高騰はしておらず、国産メーカーの品質、さらには、自家消費対応型PCSの技術特許を取得するなど、高い技術力と安心できるサポート体制を整えています。

②架台
※想定パネル出力:345~545W
※アルミ架台
※スクリュー杭費用:込
※角度:10~20°を想定
⇒12,500~16,000円/kW

架台については、今年3月までアルミ原材料の価格が高騰し、架台価格へ転嫁されていた状況でしたが、
3月をピークに原材料は下落傾向にあります。
また、安価なスチール架台を検討する企業も見受けられるようになりました。
耐久性等の安心感は訴求できるものの、工事現場における必要な人員が増える可能性もあることから、
人件費を加味したトータルの開発コストを算出し、費用を抑えられる方を使用していくべきです。

今後の部材仕入れのポイント

<特にパネル仕入れの情報を都度アップデートせよ>
下半期のモジュール価格は値上げする可能性が高く、商社やメーカーに早めに発注した方が良さそうです。
(下がる理由としてインパクトのある情報が少ないことが主な要因です。)
更に、166mmセルのモジュール販売終了にあたり、今後の主流となる182mm角セルのモジュールを想定した上での設計を行っていくことをオススメします。

PCS・架台については、パネルほどの大きな影響は現在ありませんが、
世界情勢や国内情勢により、一気に変わることも想定されますので、
正しい情報をいち早くつかめる体制を整えておきましょう。

本日もお読みいただき誠にありがとうございました。

 
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