【FIP/FIT】2022年度の第12回・第13回入札結果と今後の入札単価とは?

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2022年度より、エネルギー供給強靱化法の施行に伴い、これまでの「FIT」に加えて「FIP」が新しく始まりました。

FIPとは、市場取引等により再生可能エネルギーを供給したとき、その供給量に対して一定のプレミアム(補助額)が交付される制度です。このプレミアムは発電コスト等により算出される基準価格から卸電力取引市場の取引価格等から算出される参照価格を控除した額とされています。

2022年度の第12回・第13回の「太陽光発電」の入札結果と合わせて、第15回に向けた入札をお伝えします。

2022年度から2024年度の太陽光発電のFIT/FIP活用

◎2022年度のFIT/FIP活用(太陽光発電)

2022年度の太陽光発電について、容量別にFITまたはFIPを活用できるのかを見ていきます。

~10kW:FIT(住宅用)
10kW~50kW:FIT(地域活用要件あり)
50kW~250kW:FIT(入札対象外)またはFIP(入札対象外)
250kW~1MW:FIT(入札)またはFIP(入札対象外)
1MW~:FIP(入札)

また、2022年度のFIT調達価格・FIPの参照価格は、以下となります。

~10kW:17円
10kW~50kW:11円
50kW~250kW:10円
250kW~の入札対象外:10円
250kW~の入札:10円/9.88円/9.75円/9.63円

◎2023年度のFIT/FIP活用(太陽光発電)

2023年度の太陽光発電について、容量別にFITまたはFIPを活用できるのかを見ていきます。

~10kW:FIT(住宅用)
10kW~50kW:FIT(地域活用要件あり)
50kW~250kW:FIT(入札対象外)またはFIP(入札対象外)
250kW~500kW:FIT(入札)またはFIP(入札対象外)
500kW以上:FIP(入札)

また、2023年度のFIT調達価格・FIPの参照価格は、以下となります。

~10kW:16円
10kW~50kW:10円
50kW~250kW:9.5円
250kW~の入札対象外:9.5円
250kW~の入札:未定(2022年10月時点)

◎2024年度のFIT/FIP活用(太陽光発電)

2024年度の太陽光発電について、容量別にFITまたはFIPを活用できるのかを見ていきます。

~10kW:FIT(住宅用)
10kW~50kW:FIT(地域活用要件あり)
50kW~250kW:FIT(入札対象外)またはFIP(入札対象外)
250kW~:FIP(入札)

2022年10月時点では、2024年度の調達価格や基準価格は決まっていません。
しかし、2025年の価格目標が、
事業用太陽光:7円/kWh
住宅用太陽光:卸電力市場並みの価格水準
となっていますので、2023年と比較してマイナス1円〜2円程下がっていくことが想定されます。

2022年度の入札結果(第12回・第13回)

今年度開催された入札結果を下記に記載致します。
第14回と第15回入札については、結果公表がまだのため、第12回と第13回の結果を記載いたします。

【第12回のFIT】
入札容量(㎿):34
応札容量(㎿):25
落札容量(㎿):25
落札率(落札容量/募集容量):50.0%
入札件数(件):55
落札件数(件):39
上限価格(円/kWh):10.00
最高落札価格(円/kWh):10.00

【第12回のFIP】
入札容量(㎿):181
応札容量(㎿):129
落札容量(㎿):129
落札率(落札容量/募集容量):73.7%
入札件数(件):13
落札件数(件):5
上限価格(円/kWh):10.00
最高落札価格(円/kWh):9.90

【第13回のFIT】
入札容量(㎿):14
応札容量(㎿):12
落札容量(㎿):12
落札率(落札容量/募集容量):24%
入札件数(件):23
落札件数(件):18
上限価格(円/kWh):9.88
最高落札価格(円/kWh):9.88

【第13回のFIP】
入札容量(㎿):44
応札容量(㎿):14
落札容量(㎿):14
落札率(落札容量/募集容量):8%
入札件数(件):11
落札件数(件):10
上限価格(円/kWh):9.88
最高落札価格(円/kWh):9.87

第12回太陽光入札では、FIT応札容量は25MW、FIP応札容量は129MW
第13回太陽光入札では、FIT応札容量は12MW、FIP応札容量は14MWとなっており、
2回とも全量落札という結果でした。

第12回太陽光入札のFIP対象区分のうち
最も小さい発電所は、1.4MWで、
最も大きい発電所は、76.8MWとなっています。

また、第13回太陽光入札のFIP対象区分のうち
最も小さい発電所は、1.0MWで、
最も大きい発電所は、1.999MWとなっています。

第14回~第15回の入札スケジュール

2022年度は入札があと2回ございます。
下記現状の入札スケジュールと供給の上限価格になります。

【第14回】
供給の上限価格(/㎾h):9.75円
事業計画の締め切り:10月14日(金)
事業計画審査締め切り:10月28日(金)
入札募集開始:11月7日(月)
入札募集締め切り:11月18日(金)
入札結果公表:11月25日(金)

【第15回】
供給の上限価格(/㎾h):9.63円
事業計画の締め切り:1月27日(金)
事業計画審査締め切り:2月10日(金)
入札募集開始:2月20日(月)
入札募集締め切り:3月3日(金)
入札結果公表:3月10日(金)

第15回の入札に間に合わせるためには、事前相談、事前協議で負担金を確定させる必要があります。

そのためのスケジュールは以下となります。

【第15回入札に間に合わせる場合のスケジュール】
事前相談の申し込み日程:11月27日~12月27日(約1か月)
事前協議の申し込み日程:12月27日~1月27日(約2か月)
事業計画の提出締め切り:1月27日(金)

事前相談をあと1か月後に行う必要があるので、
土地の見込みをはやめにつけましょう。

第15回9.63円/kWhの入札で採算が合うのか

第15回で上限金額の9.63円で、実際に応札を活用した場合のシミュレーションを計算します。

【出力1MWの場合の材工原価】
・モジュール 455W →40円/W
・PCS 三相 50kW →55万円/台
・アルミシステム架台 →1.3万円/kW
・キュービクルコスト →250万円/件

・工事・保安→4万円/kW
※工事とは組み立てか電気工事を指します。
※保安とは、外部委託する保安管理業務費用を指します。

以上より、kW当たりの材工の原価は約11万円となります。

高圧の負担金や土地代については、

・負担金       →400万円
・土地取得と造成費用 →1000万円

とします。

材工原価に、負担基・土地代を合わせて、総額約1億2400万円の原価となります。

【FIP収入額のシミュレーション】
経産省より公表されているFIP制度における卸電力取引市場の価格の参照方法等をふまえた簡易シミュレーションを用いて単年度のFIPの市場収入を計算します。

2019年度、九州エリアのデータを元に算出します。
・基準価格 →9.63円/kWh
・設備利用率→17.2%
・設備容量 →50%

※年間発電量は37.5万/kWh
※0.01コマ回数は39回
※非化石価値やバランシングコストを考慮しておらず、実際のプレミアムとは異なる簡易試算です。

2019年度
4月→市場収入5.0円/kWh+プレミアム3.9円/kWh
5月→市場収入4.8円/kWh+プレミアム5.4円/kWh
6月→市場収入6.6円/kWh+プレミアム3.1円/kWh
7月→市場収入6.7円/kWh+プレミアム7.0円/kWh
8月→市場収入8.3円/kWh+プレミアム5.3円/kWh
9月→市場収入8.0円/kWh+プレミアム2.2円/kWh
10月→市場収入6.1円/kWh+プレミアム2.6円/kWh
11月→市場収入3.6円/kWh+プレミアム7.8円/kWh
12月→市場収入5.6円/kWh+プレミアム4.0円/kWh
1月→市場収入4.7円/kWh+プレミアム5.2円/kWh
2月→市場収入3.5円/kWh+プレミアム6.3円/kWh
3月→市場収入2.2円/kWh+プレミアム8.1円/kWh

以上より、1000kWの太陽光であれば、
市場収入は約818万円/年、プレミアムは約605万円/年 となり、
年間売電収入は約1,413万円、20年で約28,260万円 と計算されます。

つまり、自社物件として保有するのであれば、表面利回り11.3%程度となります。

逆算してこの発電所を
利回りを12%以上にしたい場合は、材工原価を10.3万円/kW以内に、
利回りを13%以上にしたい場合は、材工原価を9.4万円/kW以内に収める必要があります。

本日もお読みいただきまして、ありがとうございました。

 
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