2023年度・2024年度のFIT/FIP制度を解説!
平素よりコラムをご購読いただき、誠にありがとうございます。
今回は、1月末に発表された経済産業省の調達価格算定委員会における2023年度及び2024年度のFIT/FIP制度について、解説していきたいと思います。
2023年度の制度まとめ
まず初めにFIT制度についてですが、
2023年度については下記の通り決定しています。
10kW未満:16円/kWh(税込)
10~50kW未満:10円/kWh(税別)
50~250kW未満:9.5円/kWh(税別)
250~500kW未満:入札(屋根上設置は免除)
500kW以上:対象外
10~50kW未満の低圧事業用太陽光においては、従前通り「地域活用要件」が設定され、自家消費率30%以上などの条件が課せられています。
一方、「集合住宅向け」かつ「10~20kW(AC)」の案件については、地域活用要件が満たせないことが多く、この規模の組成においては、”配線図等から自家消費を行うことが確認できれば、地域活用要件を満たしているものとみなす”とされております。
以前からこの案件規模においてはルール緩和されていましたが、実は知らなかった、という企業様も多く、アパートオーナー向けへの提案として、ビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?
続いて、FIP制度についてですが、
2023年度では基準価格として、下記の通り決定しています。
10kW未満:対象外
10~50kW未満:一定上条件を満たす場合のみ可
50~500kW未満:9.5円/kWh
500kW以上:入札(屋根上設置は免除)
低圧規模の案件については、「一定の条件を満たす」と記載しており、
具体的には下記の点が挙げられます。
【1】電気事業法上の「発電事業者」であること(※設置容量合計が10MW超等)
【2】直接の契約関係に基づき、電気事業法上の小売電気事業者・登録特定送配電事業者・特定卸供給事業者(アグリゲーター)に供給していること
FIPについては、市場での取引が前提となり、これまでのFIT物件開発~売却のようなモデルではありません。
アグリゲーション等を代行実施している企業との連携を取ることで、成立させることができます。
2024年度はどうなる?
2024年度においても、上述した調達価格等算定委員会にて議論がなされています。
現段階での案として、
【FIT/FIPとも】
- 10kW未満
- 16円/kWh
- 10~50kW未満
- ①地上設置:10円/kWh
- ②屋根設置:12円/kWh
- 50~250kW未満
- ①地上設置:9.2円/kWhまたは入札
- ②屋根設置:12円/kWh
- 250kW以上
- ①FITは対象外
屋根設置の場合、2024年度では12円/kWhへ引き上げの計画がされております。
10~50kW未満では、引き続き地域活用要件が適用になる見通しですが、50kW以上では現状通りであれば、地域活用要件が設定されるない予定です。
したがって、これまではいわゆる「完全自家消費型」で、屋根スペースがあるにも関わらず、電力消費量が少ない事業者に対しては、余剰売電型での提案が進んでいくものと考えられます。
更に、2024年度の単価設定という話で進んでいるものの、2023年度の申請及び認定量の減少が影響されるため、当該委員会資料では、「2023年下半期の運用開始」を検討しています。
屋根設置を提案している太陽光業者ができること
先述した屋根設置の単価アップはこれまで提案できなかった(あるいはあまり効果が見込めなかった)企業に対してもビジネスチャンスが広がる内容です。
具体的には「常温倉庫」等、建屋は広大である一方、あまり電気消費量が多くない施設に対しての提案が進むものを考えられます。
費用対効果により、一概に屋根全面設置とは言いにくいものの、12円/kWhへの単価上昇や、先述した「集合住宅向け10~20kW」の地域活用要件の緩和により、これまで制度に縛られて効果が見込めなかった企業がターゲットとなり得ます。
今一度、ターゲットリストの選定から見直しを行う、あるいはOB顧客への追加提案等、
今後も屋根設置案件は拡大していくものと考えられるでしょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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