新人営業マンの早期活躍を実現する人材育成戦略とそのポイント

平素よりコラムをご愛読いただきありがとうございます。

本稿では「人材育成」をテーマに新人営業マンの早期活躍を実現されている会社に共通する取組みについてご紹介します。採用状況が困難な中、採用できたという会社様もあるかと思います。

その1名を定着させるには間違いなく「早期活躍できる」ことが重要です。今回はその取り組みとポイントについて解説していきますので、最後までお読みくださいませ。

【事例紹介】早期活躍に必要な たった2つの取組みについて

今回ご紹介するのは本業が住宅不動産をしているM社様の事例になります。売上規模は10億円、人員数は30名弱の会社になります。一昨年から新卒採用を始め、昨年は2名採用ができています。

その新卒の2名ですが、1名は入社3か月目で粗利500万越え、もう1名は4か月目で粗利400万円以上もの早期活躍ができています。新卒でここまでスピードを持って結果が出せるのは、なかなかないのではないでしょうか。

ただこの会社様でも以前は、人材育成でよくある課題に直面しておりました。

「教える時間がないため、営業同行させていくなかで指導している。(=属人的)」
「社内にトップ営業マン(店長や部長)がいるものの、営業の仕組み化ができていない」
「新入社員を入れたものの、育成の仕組みがないので指導方法も上長によってバラバラ」

など、せっかく採用出来たのに定着できず悩んでいらっしゃいました。今後人材を確保し、拡大させていく上で社内に人材育成の仕組み化ができていなかったのです。

繰り返しになりますが、人材定着のポイントは「早期活躍できる」ことです。そこで、この会社様では次の2つに取り組まれました。

1.育成ロードマップの策定
2.育成の仕組み化による指導環境の整備

1つずつ解説していきます。

効果的な新人営業マン育成計画の策定とそのポイント

企業規模に関わらず、育成計画はありますでしょうか。よくある課題として、以下のようなものが挙げられます。

  • 入社後、一人前の営業マンになるまでの育成計画が存在しない
  • 会社として「いつ・誰が・どのように」教育を進めるかの方向性が決まっていない
  • 育成計画がないため、新人社員が入社しても放置されてしまう
  • 時間の確保ができず、「営業同行の中で見せることで学ばせる」方法が多い

これらの課題に当てはまる会社もあるかと思います。育成計画を策定するメリットとして、以下の4つが考えられます。

A) 目標の明確化:
育成計画を立てることで、達成すべき目標や期限を明確に設定できます。これにより、目標に向かって効果的に取り組むことができます。

B) 効率的な学習・スキル開発:
育成計画に沿って学習やスキル開発を進めることで、効率的に成長できます。計画に従って進めることで、どの分野に焦点を当てるべきか、どのような方法で学習するかが整理されます。

C) 継続的な進捗の確認:
育成計画を立てることで、進捗状況を確認し、達成度を把握できます。これにより、計画の修正や目標の再設定が容易になります。

D) 自己評価・モチベーションの向上:
育成計画を立てることで、自分の成長や達成した成果を評価できます。これがモチベーションの向上につながり、さらなる成長を促します。

新人社員側・管理者側双方にメリットがあるため、育成計画がない場合は作成することをお勧めします。作成する上でのポイントは「日・週・月ベースでいつ・誰が・何を・どのように進めていくのか細かく設定すること」と、「その日・週・月ベースで定性・定量目標を設定する(身に着けたいスキル・知識も記載する)」ことがポイントとなります。

前者に関しては、カリキュラムを組むことで新人営業マンがその日に何をすればいいのか理解できるため、時間を無駄にすることがなくなります。また、管理者側(上長・育成担当者)からしても何をどのタイミングで教えてあげるか明確になるので、社内での動きがスムーズになります。

後者に関しては、アウトプットを意識させることでインプットの質を上げる効果があります。例えば、その日に知識研修があれば、確認テストを受けさせ100点を目指すことを定量目標に設定するなどです。

また、Z世代と言われる若手社員であれば、必要なスキルや知識を明確にしてあげることも重要です。何を会得しなければならないかが分かれば、自主学習のモチベーションアップにもつなげることができます。

育成計画を立てるためにも、まずは社内の業務を棚卸し、その中で必要なスキルや知識を整理してみてください。時間をかけてでも、ぜひ取り組んでいただければ幸いです。

“これから”の営業の仕組み化のポイントとは

次に、「育成の仕組み化による指導環境の整備」について解説します。M社様の場合、指導環境を整えるために以下の3つに取り組んでいます。

A) 動画で営業トークを覚えさせる
現在、特に若手はYouTube世代であるため、動画による学習が効果的です。動画であれば繰り返し見ることができるため、上司や育成担当者に何度も確認しなくても問題ありません。また、いつでも・どこでも見ることができるため、短期間で覚えることが可能になります。M社様の場合、トップ営業マンのロープレを撮影し、そのロープレ動画を見せて、まずはトークを完璧に覚えさせています。

B) ロープレ動画をもとにフィードバックをする
覚えたトークをもとに、社内でロープレを実施します。その際、M社様ではロープレの様子をスマホなどで撮影し、本番さながらのロープレを行っています。撮影した動画は文字起こしもできるアプリ内に格納し、上司に送ります。秒単位で文字起こしされた動画になるため、的確にフィードバックできることで指導の質も上がります。

C) 習熟度確認テストやスキルチェックシートを活用する
トップ営業マンのロープレ動画をもとに、トークや知識を確認テストに落とし込んでいます。
「そのトークがどこのステップなのか」、「そのステップにおいてどんな知識が必要なのか」などを意識して確認テストを作成します。作成したテストを受けさせ、どこまで理解しているか確認していきます。
このようにアウトプットすることを意識させることで、インプットの質も上がります。
また、業務の棚卸しの際に整理した必要なスキル・知識をその習得状況が分かる表にまとめたスキルチェックシートも作成されています
。新人営業マンがスキルや知識を身に着ける度にチェックを付けるので、埋まっていく楽しみからモチベーションアップに貢献します。

本稿では「人材育成」をテーマにその戦略とポイントをお伝えしました。
「これから人員拡大をしていきたい」、「来年度以降、新卒採用に挑戦したい」、「社内に育成の仕組み化ができていない」会社様がありましたら、ぜひ本稿を活用いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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