ストレージパリティ、採択結果、補助金、自家消費太陽光 補助金
平素より、コラムをご購読いただき、誠にありがとうございます。
船井総合研究所の土井新太です。
今回は令和6年度の補助金採択結果を踏まえて、今年度EPC企業がとるべき動きをご紹介します。
自家消費太陽光は初期費用は高く、補助金の活用が有効です。
設置施設によっては1,000万円を超える補助を受けることができます。
「ストレージパリティ補助金」などの国の補助金は、必ずしも全ての申請者が採択されるわけではありません。
補助金を活用した提案はお客様の期待を高める一方で、万が一不採択となった場合、導入意欲を損ねるリスクがあります。
そのため、EPC企業は、補助金の採択率が高い施設・業界・企業の特徴を把握し、採択見込みの高い会社へ優先的に提案を行う(採択見込みの低いお客様への提案を控えること)ことが求められます。
そこで、今回のコラムでは昨年度の採択結果から採択されやすい業界・業種・職種などを分析しました。
本コラムの内容を、是非日々の営業活動にご活用ください。
上限3,000万円!今年度の自家消費太陽光補助金をチェック!
【補助金の概要】
・補助金名
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業の概要
・概要
環境省が管轄する補助金制度で、地域での再生可能エネルギーの普及やレジリエンス強化を目的としている補助金です。
【概算要求額】
令和6年度予算:122.11億円
【補助対象設備】
①太陽光発電設備(蓄電池の導入必須)
②蓄電池(定置用・車載型)
③充放電設備(V2H等)
【補助額と補助率】
太陽光発電設備(定額)
・購入モデル:4万円/kW、
・PPA・リース:5万円/kW
・戸建住宅(PPA・リース):7万円/kW
蓄電池(定額)
・業務用/産業等定置用:4万円/kW
・家庭用:4.5万円/kW
・車載型:蓄電容量(kWh)の1/2に4万円を乗じた額
上限額
・太陽光:2,000万円
・蓄電池:1,000万円
【申請要件】
・発電した電力を売電せず、自家消費すること(逆潮流不可)
・停電時に自立運転機能を有すること
・FIT(固定価格買取制度)やFIP(市場連動型買取制度)の認定を受けないこと
・太陽光発電出力が10kW以上であること(産業用の場合)
・蓄電池の容量が一定基準以上であること(例: 4,800Ah/セル)
昨年度の採択結果から見える補助金採択の方向性とは
昨年度の採択結果を業界別に採択数の多い順にまとめました。
1位:製造業(72%)
2位:建設・産業廃棄物業(10%)
3位:小売業(8%)
4位:倉庫・運輸業(5%)
5位:介護業(1.5%)
6位:不動産業(1.5%)
7位:遊技場(1.5%)
昨年度(2024年)の業界別採択結果を見てみると、製造業が72%と高い採択率を誇っています。2021年度の採択結果では、製造業が48%、小売業が24%だったことを踏まえると、国の製造業への脱炭素化の後押しが加速していると考えられます。
製造業以外にも「建設業・産業廃棄物業・小売業・倉庫運輸業・介護業・不動産業・遊技場」などが採択されています。遊技場や介護業は2022年度に採択されておらず、採択される企業は他業種に広がっています。
小売業では、コープなどをはじめとする大型の小売店が採択されています。
実際に採択されている小売業A社さまの導入容量は79.92kWであり、大型の小売店が採択されている傾向にあります。
遊技場用では大手の会社が採択を受けています。
本事例では、遊技機の製造工場に隣接する遊技機物流施設の屋上に太陽光発電を設置し、製造工場へ電力供給しているモデルになります。
遊技場店舗への設置ではなく、製造工場への設置が採択された事例になります。
自己保有型:61件
オンサイトPPA型:30件
リース型:8件
オフサイトPPA型:2件
また採択結果の60%が自己保有型となっています。
【EPC企業がとるべき動き方】
対策①:製造業への提案
昨年度の採択業種はどの業種も消費電力量が多い傾向があります。その中で、自動車部品をはじめとする製造業が採択数の大半を占めています。
対策②:リサイクル製品製造業への提案
建設業・産業廃棄物業の中でリサイクル製品製造業が5件採択されていました。また環境志向の高いプラスチック製品製造業も採択されています。2021年度ではリサイクル業は採択されていなかったことから、「環境志向の強い製造業」の採択数が増加していく可能性があります。
対策③:消費電力が多い企業への提案
昨年度採択されている業種の大半が、「24時間電力を稼働している」企業や「製造過程で多くの電力を消費する」企業でした。電気代の高騰も相まって消費電力の多い企業には「電気代高騰対策」としての再エネ導入提案が通りやすい傾向があります。
補助金活用を前提とした提案は、採択されなかった際にお客様の導入意欲を損ねてしまうデメリットも存在します。
国からの補助金は採択されない可能性があるため、EPC企業にとって補助金活用の提案先選びは重要です。
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